現場の風

キヤノン 体感型の映像空間、大人数で共有

キヤノン IR/MICE事業推進プロジェクト主幹 須藤 哲郎さん(53)

 --3月13日に仁徳天皇陵古墳(大山古墳)そばにオープンした堺市の「百舌鳥古墳群ビジターセンター」内に体感型の映像空間システムを提供した

 「9K相当の高画質映像で視野を覆う高さ約3.3メートル、長さ約14.3メートルの曲面スクリーンを備えた映像空間を構築した。プロジェクター6台で曲面の壁や足元の床面に映像を投写することで、まるでその場にいるような体験を大人数で共有できる」

 --どのような映像技術が使われているのか

 「撮影に使用した8Kカメラなどの機材と視聴環境の情報をもとに『臨場感変換』と呼ぶ画像処理を行い、没入感の高い空間映像を生成している」

 --ビジターセンターで投影するプログラムは

 「2部構成で、第1部が仁徳天皇陵などの空撮、第2部は堺市の文化や歴史を紹介している。空撮は地上約1500メートルから古墳を見下ろすような体験ができる。ジオラマと違い古墳周辺で自動車や人の動きも見える」

 --今回の映像制作に当たって工夫した点は

 「一つは床面へ投影したことで、垂直方向にも映像に囲まれている感覚が得られる。もう一つは外部のクリエーターにコンテンツ制作を依頼したこと。われわれだけだと実写映像のみで作ってしまいがちだが、第2部でCGとコラボレーションしながら堺の1600年の歴史を振り返るといったアイデアを出してくれている」

 --堺市以外での今後の展開は

 「複数の自治体から、施設に同様のシステムを入れて観光に活用したいという話は来ている。お客さまの環境に合わせたシステムの構築はもちろん、視聴環境から作り込み、撮影を行うことで、より良い体験を提供したい。将来的には統合型リゾート施設(IR)やライブ配信などのエンターテインメントへも展開していきたい」

 すどう・てつろう 明治大法卒。1991年キヤノン入社。ビデオカメラや関連ソフトの商品企画などを経て、2018年から現職の統合型リゾート施設(IR)やビジネスイベント施設向けの事業推進を担当。東京都出身。

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