また、中小企業庁が推奨する経営者向けの作成方法と違い、勝手に決めない方が良いと筆者が考えることが2つあります。
- 1.引退時期を勝手に決めない
- 2.退職金を勝手に決めない
つまり、お父様の引退にまつわる部分は勝手に決めないことをお勧めいたします。事業承継計画表を作成する段階では、会社はあくまでお父様の持ち物であり、思いを持って取り組んでいます。いくらご子息であっても、勝手に引退時期を決められるのは納得行かない場合も多々あるでしょう。事業承継計画表を作成していく中で、会話を重ねていきお父様から自ずと、引退時期などの腹が決まっていくことを待ちましょう。
事業承継は、事業承継計画表を作成して終わりではない
今回は、後継者側が取り組むべき「事業承継計画表の作成方法」について記述いたしました。事業承継は経営者の課題と捉えられる場合が多いですが、引き継ぐ後継者も経営者と同じような覚悟で事業を推進し、発展させていく必要があります。
また、事業承継は事業承継計画表を作成して終わりではありません。あくまで、事業承継を行うために必要な内容をまとめ、同時に事業承継が長期的に捉えなければならないものだということを把握するためのプロセスに過ぎません。
後継者は、経営者が築き上げた事業を引き継ぎと同時に発展させるために、新たに新規事業に取り組むことや、事業モデルを転換させるなど新たなチャレンジを一緒に考えることも出来ます。
まずは、事業承継計画表を作成して、お父様が培ってきた事業をしっかりと把握することをおすすめいたします。
事業承継計画表のダウンロードはこちら
【長寿企業大国ニッポンのいま】は、「大廃業時代」の到来が危惧される日本において、中小企業がこれまで育ててきた事業や技術を次の世代にスムーズにつなぐための知識やノウハウを、事業承継士の葛谷篤志氏が解説する「事業承継」コラムです。アーカイブはこちら