キャリア

定年廃止で多様な人材集う組織に

テンポスホールディングス社長 森下 篤史さん(74)

 --公的年金支給開始年齢の引き上げに合わせて、多くの企業で定年の延長が進んでいる

 「当社は2005年に定年制を廃止した。その廃止直前の就業規則には『定年99歳』とされていたが、それならいっそのことやめようと」

 --どうして定年制をやめたのか

 「私自身、当時の静岡県水窪町(現浜松市天竜区)のお茶農家の生まれで、今も2週間に1度、実家に帰って農園の草刈りなどを手伝っている。父は94歳で亡くなったが、その1カ月前までずっと農作業にあたっていた。水窪は若い人がほとんどおらず、70歳過ぎても元気な人は現役で仕事をするのが当たり前。だとしたら、企業としても、そうした元気な人に働く場を提供するのは当然ではないかと考えた」

 --社員の年齢層がいびつにならないか

 「むしろ多様な人材が集まる組織に進化できると考える。さまざまな年齢層の人が同じ部署で一緒に一つの仕事にあたる。そうすることで、若い社員もベテランの社員もお互いに変に構えずに接することができる。一緒にいること。これはダイバーシティ(多様性)の原点だと思っている。そのため、本人の意思と成果のみですべての人事評価を決めている」

 --転職が当たり前の世の中とはいえ、数十年は働くことになる。就職の際には仕事の中身だけでなく、人生設計をどう考えるかも大切だ

 「社員にはよく『人間らしく生きよう』と話をしている。だから自分の人生も自分で決めることを大切にしたいと考え、半年ごとに「マイライフシート」という人事リポートを書いてもらっている。これから挑戦したいこと、そして家族のことなどを書いてもらう。これにより仕事と社員のミスマッチが起きないようにしている」

 もりした・あつし 静岡大教育卒。1971年東京電気(現東芝テック)入社。83年業務用食器洗浄機メーカーのキョウドウを設立。97年テンポスバスターズを設立。2017年に同社を持ち株会社化してテンポスホールディングスに商号変更し、現職。静岡県出身。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus