CAのここだけの話

「パラレルキャリア」でコロナにあえぐ航空業界が激変? 副業とは少し違う複業の魅力 (2/2ページ)

鶴﨑八千代
鶴﨑八千代

コロナうつ予防にも? 「パラレルキャリア」を満喫中

フライトがない日は完全にお休みです。どの業界でも、社員はスキルアップのために無料で研修を受ける権利があります。現職に関係なく、色んな分野の研修を受けることが可能です。自宅時間を利用して語学研修を受けている乗務員が多い印象ですが、これも本人の自由で強制ではありません。

私は、専らパラレルキャリアを満喫中です! 子育てをする女性の多様な生き方を発信する「ママ夢ラジオ」というラジオ番組のパーソナリティとしての活動をコロナ禍の前から始めました。フランスから乗務して東京へ。滞在中に、渋谷クロスFMのスタジオから生放送に出演していました。現在は日本に行けないのでオンライン収録したものを放送しています。

「パラレルキャリア」とは、本業のほかに第二のキャリアを築くことです。収入を得ることが主な目的ではなく、自身のスキルアップや視野の拡大、将来に向けた自己投資として余暇時間を活用することが主目的です。

私はラジオ出演のほか、絵本の翻訳、WEB翻訳などにもチャレンジしました。“パラキャリ”を実践しながら、NPO団体、パラレルキャリア推進委員会の広報として、パラレルキャリアという新しい働き方を広める活動もスタートしました。コロナ不況になる前から「世界を飛ぶパラレルキャリア乗務員」として活動していたおかげでコロナうつにならず充実した日々を過ごしています。

「パイロットはもうひとつのキャリア」そんな日が当たり前に?

日系エアラインでも副業解禁になったというニュースを聞いて驚きました。それが、なんとCAだけでなくパイロットも対象になったようです。コロナ不況で社員を守りきれない、会社も苦肉の策で制限緩和に追い込まれたようです。

パラレルキャリアを実践することで、収入面だけでなく、現職では経験できない新しい分野にチャレンジできたり、知識や経験を活かしてさらに活躍する! 社会に貢献する! といったことが可能になりました。本業、家庭とは別のサードプレイスの存在も大事だとメディアでも取り上げられています。コロナ不況により、日本でも働き方改革が加速しそうです。

もしかしたら、本業は別の職業、複業(副業)でパイロットとして、CAとして働いている、そんな状況が当たり前になる日も遠くないのかもしれません。私たちの働き方の常識が変わる、改革の波がエアライン業界にも押し寄せています。

フランス在住16年。OL経験後、アメリカ系航空会社にて機内通訳として6年乗務。「パリでの就職」の夢を果たすため31歳で単身フランスへ。パリの5つ星ホテルに就職し、その後、フランス系航空会社に転職、30代でCAのキャリアをスタ-トし現在乗務歴15年。「世界を飛ぶパラレルキャリア乗務員」としてラジオパーソナリテイ、 パラレルキャリア推進員会・広報PR活動に従事。9歳・12歳の子供、 10歳年下フランス人の夫とノルマンディ地方で田舎生活満喫中。 趣味:ブログ・ヨガ・乗馬・アウトドア・家庭菜園 (Instagram:@yachi.ca)

【CAのここだけの話】はAirSol(エアソル)に登録している外資系客室乗務員(CA)が持ち回りで担当します。現役CAだからこそ知る、本当は教えたくない「ここだけ」の話を毎回お届けしますので、お楽しみに。隔週月曜日掲載。アーカイブはこちら

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