元受付嬢CEOの視線

「実はコミュ障」なCEOが実践する、新しい職場でもしんどくならないコミュニケーション (1/2ページ)

橋本真里子
橋本真里子

 2021年度が始まりました! 転勤や異動、または転職といった大きな環境の変化があった方も多いのではないでしょうか。環境が変わるのはワクワクすると同時にちょっと不安に感じるものだと思います。「新しい環境に馴染めるだろうか」「新たに出会う人々とうまくやっていけるだろうか」というような感情は誰しも抱きますよね。

 私も受付嬢としてこれまで4回以上の転職をしてきました。その度にワクワクと不安が常に同居しているような感情を持っていました。というのも、私はこう見えて実はコミュ障なのです(笑)

 コミュ障だと言っても信じてもらえなかったり、驚かれることが多いのですが、特に同性が一堂に会している場は今でも苦手です…。例えば女性経営者が集まる会などは、かなり気合を入れて参加しなくてはいけません(笑)女性同士だと、見た目で判断されたり、派閥をつくる傾向が強く、独特な「圧」を感じることが多いんですよね…。

 そんなわけで、「女性だけの職場」である受付には苦手意識もありましたが、転職するごとにそうした苦手な環境に飛び込み続ける中で、様々なコミュニケーション術を学んだと思います。今回は、「環境が変わった時に心がけたいコミュニケーション方法」について書いてみたいと思います。

共感と同調をわきまえ、使い分ける

 私はコミュニケーションする上で、共感はとても大切にしています。一方で、同調はしないようにしています。同調は「圧力」にもつながりやすく、圧力はコミュニケーションの上ではネガティブにしか働かないからです。

 新しい環境で、周りの人がどんな価値観を持っているのか、どんな性格なのか。それが分からないとついつい同調しがちになるのではないでしょうか。同調することってその瞬間は「楽」なんですよね。でも、同調しかしていないと自分を失いがちで、当たり障りなくは過ごせていたとしても、時間が経つにつれ、苦しくなるのです。

 共感は違います。感情が共鳴するものなので、自分を騙しません。もっというと、相手も騙しません。共感を得られると自信にもつながり、相手のことを知ることもできます。私は共感を大切にするようになってから、人とのコミュニケーションに悩んだり、困ることが少なくなったように思います。

基本のき 挨拶は自分から!

 大人になって、さらにはCEOになって、改めて「挨拶」の重要性を感じています。その理由は挨拶というのは“元気のバロメーター”にもなるからです。

 人は、自分の気持ちが前向きだと積極的に自分から挨拶できます。逆に、後ろ向きだったり、自信がなかったり、気まずいことがあったりすると、挨拶を避けがちです。

 私は基本、毎日出勤していますが、その際の挨拶の声で社員のみんなの元気バロメーターをチェックしています。もともと声が小さかったり、挨拶が遠慮がちな人はその人の特徴として捉えますが、普段元気に挨拶する人が挨拶に元気がなかったり、時に挨拶すらしないときは何か心境の変化があったのではないかと、日々の行動もいつもより注目するようにしたりしています。

 受付嬢だった時は一日に何百人の人と挨拶をしていました。社内の人、お客様、業者の方…。私の中には機械学習に負けないくらい、「いろんな挨拶」が溜まっています。

 そんな私が意識していることは、「どんな時でも自分から挨拶。元気よく!」ということです。元気な挨拶をしてお互いが嫌な気持ちになるというケースはないと思います。もし嫌な顔をする人がいたら、「ちょっと距離感を考えた方が良さそう…」と察することができます。自分がこの環境に馴染めるかどうか、挨拶一つである程度を量ることもできます。

 例えば、「いつもの道でよく会う、知り合いではない人だけどお互い顔は認識している。だけど挨拶するほどの関係か…?」というシーンがありますね。そういう時も積極的に挨拶します。心が通じて晴れやかな気がしますし、そこから会話が生まれたりします。私は、近所をまわる配達員の方にも道で会うと挨拶します。そういう小さな積み重ねが人の印象や信頼を作っているような気もしています。

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