今日から使えるロジカルシンキング

どっちがお得? 「コーヒー100円引き」と「100円分トッピング無料」 (1/2ページ)

苅野進
苅野進

 近所のカフェで仕事をすることが多いのですが、このお店のポイントを貯めるのが楽しみでした。20杯で1杯無料チケットがもらえます。先日、やっと貯まったと喜んだところ、ポイントの制度が変わったとのこと。5杯で100円割引券がもらえるように変更されていました。割引率はほぼ同じなのですが、「頑張った甲斐がないな」とちょっと残念な気分になりました。

割引率はどっちが大きい?

 「1杯無料」となると、なんとなく「100%オフ!」に感じてお得感が出るのでしょう。これは、小売りでは有名な心理現象で、たとえばコーヒー店で

  • A 100円割引
  • B 100円分トッピング無料

 というサービスの選択肢があると、圧倒的にBを選ぶ人が多いそうです。コーヒーの値段をたとえば500円だとすると、Aの場合、

  • 100円/コーヒーの料金500円

という感覚になり、20%オフ。Bだと、

  • 100円/100円分のトッピング

 という感覚となり、100%オフという印象になるからだそうです。

 「『GW個人消費2.6兆円減』の真実」でビジネスにおける「割り算」の重要性をお話ししましたが、割り算の結果は直感とは異なる結果になることが少なくないので、「割られる数」と「割る数」に神経質になってきちんと計算しなければいけません。

 たとえば、このAとBのサービスの例ですと

A:500円のものを400円で売るので400÷500=0.8 つまり20%オフ

B:600円のものを500円で売るので500÷600=0.83 つまり17%オフ

 なのです。にも関わらずBを喜んで選ぶ人が多いのですね。

小学生向けの問題を解いてみて気づくこと

 割り算と直感に関する小学生向けの面白い問題を2つ紹介します。

問題1

AくんとBくんが100m競争をしたところAくんが勝ちました。AくんがゴールしたときにBくんは10m後ろにいました。AくんがBくんにハンデをあげて同時にゴールするには、Aくんは何m後ろからスタートすれば良いですか?

《考え方》

 ほとんどの小学生が直感で10mと答えてしまう問題です。しかし、Aくんが100m走る間にBくんは90mしか走ることができないので、Aくんが110m走る間にBくんは99mしか走れません。つまりハンデは10mでは足りないのです。

 「Aくん100m:Bくん90m」なので、AくんはBくんの100÷90=10/9倍の速さで走っていることになります。つまりBくんが100m走る間に、Aくんは100×10/9=1000/9mつまり「111と1/9m(111.1m)」走ることができます。よって、必要なハンデは「11と1/9m(11.1m)」になるのです。

 「比べる」のにしっかり割り算を使わないと正確に考えることができないという問題です。

問題2

たかしくんは梅雨の時期の雨の量を測ってみようと思いつきました。50ml入るコップAを外に出しておいたところ、1時間でコップがいっぱいになりました。同じ量の雨が降っていると仮定します。底面積がコップAの10倍になっている500mlのコップBを外に出しておいたら、いっぱいになるのにどれくらいの時間がかかるでしょうか?

《考え方》

 これもほとんどの小学生が直感で10時間と答える問題です。みなさんは気づきましたか? 答えは500mlのコップであっても50mlのコップの時と同じ1時間です。イラストが大きなヒントです。

 何時間かかるのか? を求めるには

コップの容量÷1時間にコップに入ってくる雨の量

 ですね。

 1時間にコップに入ってくる雨の量は、コップの口の広さが10倍になっているので、やはり10倍です。よって、コップAに1時間で50mlの雨が入ったのであれば、コップBには1時間でその10倍の500mlの雨が入るのです。

 割り算では「何を割るのか?」と「何で割るのか?」に神経質にならなくてはいけません。割り算は非常に役に立つのと同時に、トラップの多い考え方でもあるのです。

 では、コップAと「と底面積が同じで、高さが10倍になっている容量500mlのコップC」を比べてみましょう。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus