働き方

「年金が年15万円ダウン」意外に知らない“選択的週休3日制”の盲点 (1/3ページ)

 週休3日を選択できる企業が出てきています。働き方の多様化は歓迎すべきことですが、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんは、「選択していいかどうかは、慎重に考える必要がある」と話します。その理由とは--。

 ■「選択的週休3日制」とは

 選択的週休3日制とは、従業員が希望すれば、週に3日休み、4日働くことが可能になる制度です。大企業の一部が導入し始めており、今後、柔軟な働き方ができる企業が増えると考えられます。自民党でも正社員らが週休3日制を選択できる制度の政策提言を目指しています。

 週休2日では家事をするだけで終わってしまう、もう少し勉強する時間が欲しい、介護と仕事を両立させたい、などと感じている人にとっては、週休3日という働き方を選べることは歓迎すべきことです。自由な時間が増えれば、スキルアップや副業も可能になるかもしれません。企業や国としては、スキルアップしたり、リフレッシュしたりすることで、従業員の発想力が高まり、イノベーションが生まれることを期待する向きもあるようです。多様な働き方ができる会社として、優秀な人材が採用しやすくなる、などとも考えられています。

 柔軟な働き方ができることは歓迎すべきことだといえます。ただし、気になるのは収入です。

 ■給与2割減でもライフプランは大丈夫か

 選択的週休3日制を導入している企業の中では、1日の労働時間を長くすることで1週間の労働時間を週休2日と同じにし、給料も変えない、という方式をとる例がある一方、週休3日で給与は2割減、週休4日で4割減、といった例もあります。額面で給与が40万円の人なら、2割減では32万円となり、かなりの収入ダウンとなります。

 「育児や介護などの事情から、週休3日制だから働ける(そうでなければ辞めざるを得ない)」という人は、給与が減っても仕事を続けられるのはいいことでしょう。しかし、収入ダウンが家計に大きく影響するのは言うまでもなく、現実的には、週休3日制を選択するのはなかなかハードルが高いと言えそうです。

 週休3日制に関心がある場合は、給与がどの程度まで減っても許容できるか、具体的に考えてみるといいでしょう。決断するのはそれからです。

 ■給与が減れば社会保険も年金も減る

 もう1つ、大きな落とし穴があります。

 あまり知られていませんが、給与が減れば、社会保険の給付や年金も減る、ということです。影響が生じるのは、傷病手当金・出産手当金・育児休業給付金、介護休業給付金、将来受け取る年金、さらに失業給付です。

 厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料は、「報酬月額」によって計算されます。ベースになるのは、事業主から受け取る報酬の月額を区切りのよい幅で区分した「標準報酬月額」の等級です。選択的週休3日制で給与が下がり、標準報酬月額の等級が下がれば、社会保険料も下がります。

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