社会・その他

五輪偽グッズを許すな 露店やフリマアプリ 警視庁が対策強化

 東京五輪の開幕まで間もなく1カ月と迫る中、エンブレムなどの商標を使った偽グッズの横行が懸念されている。過去の五輪ではグッズ商戦の高まりから違法な偽グッズが大量に出回ったことも。警視庁はインターネット上の監視に加え、露店などの販売現場で真贋(しんがん)鑑定を行うことができる捜査員を増強し、摘発に力を入れている。(吉沢智美)

フリマアプリに偽物

 機体前方に聖火ランナーのピクトグラム、垂直尾翼に聖火リレーのエンブレムがデザインされた特別輸送機「TOKYO2020号」。聖火をギリシャから日本へ運んだ同機をモデルに、大会組織委員会は非売品の模型を関係団体に約200個配布した。

 ところが、昨年春ごろからこの模型がフリマアプリなどに出品され始める。模型は中国製の偽物だった。

 警視庁は今年5月、偽の模型を販売したとして、商標法違反容疑で男を逮捕。男は中国から輸入した偽の模型を31個販売し、計約31万円を得ていた。男は「五輪の商標登録がされているとは知らなかった」と供述。本物の模型はプラスチック製だが、偽物は金属製で、希少価値の高い機体を求める航空ファンなどから人気があったとみられる。

その場で現行犯

 警察庁によると、東京五輪関連の偽グッズの摘発は平成28年から今年5月末まで全国で15件確認。五輪ではエンブレムやマスコットデザイン、ピクトグラムなどが商標登録されており、こうした商標を用いたピンバッジや記念メダルなどの偽グッズがフリマアプリなどで出回っているという。

 全国の税関でも東京五輪のエンブレムなどを不正使用したTシャツやキーホルダー、ストラップなどが確認されており、相次いで輸入が差し止められている。

 こうした状況を受け、警視庁は対策強化として、現場で本物かどうかを鑑定し、逮捕できる「予備鑑定捜査員」15人を五輪の偽グッズ取り締まりに専従させる。予備鑑定捜査員制度は偽ブランド品の取り締まりを目的に警視庁が16年に導入。ブランド品以外を対象に運用するのは初という。

 9日には組織委による研修が行われ、数万点ある商標品の真贋の見分け方などが捜査員に伝授された。今回は大会終了まで、聖火リレーのコースや会場周辺で偽グッズの露店などを取り締まる。

ネット商戦過熱も

 過去の五輪では2008年北京五輪の際に、開幕前から横流し品や偽物などが出回り、グッズ商戦が過熱。2019年ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の会場周辺でも偽グッズが販売されていた。今回の五輪ではコロナ禍の影響で観客上限数は流動的だが、みずほリサーチ&テクノロジーズは東京五輪関連グッズの経済効果は1000億円と試算しており、酒井才介主任エコノミストは「テレビ観戦で盛り上がれば、インターネットでメモリアル商品を買う人が増える可能性がある」と予測した。

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