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「ドラゴン桜」と明るく楽しいブラック企業 「努力」という言葉を手放す効果 (1/2ページ)

常見陽平
常見陽平

 ドラマ版『ドラゴン桜』が最終回を迎えた。いよいよやってきた東大入試、東大専科の生徒たちの合格シーン、合格の知らせに湧く教員たち、学園を買収から守るための攻防、最後の桜木建二先生の熱弁など見どころ満載だった。新垣結衣などドラマの前作の出演者がサプライズ登場したことも話題となった。私は妻と娘と一緒に見たが、隣で妻は泣いていたし、娘も夢中になっていた。私も泣いた。

 原作の漫画『ドラゴン桜2』(三田紀房 コルク)も最終巻が発売された。ドラマ版と比較すると登場人物は少なく、学園買収をめぐるドラマも設定が異なるが、より具体的に受験対策のノウハウを紹介している。個人的には、阿部寛の熱演もあって“熱血漢”となった主人公がグイグイ引っ張るドラマ版と、淡々と、かつ確実に対策に取り組み、成果を出していく漫画版という印象だった。

 今回はこの『ドラゴン桜』を取り上げる。普段のビジネスにおいて、この作品から学ぶべきこと、さらには学んではいけない点について考える。

 「ドラゴン桜」から学ぶべきこと

 私はビジネスパーソンがこの作品から学ぶべき点は、困難だと思われる目標と冷静に向き合うこと、さらにはその目標に向かって具体的に取り組むことだと考える。言うまでもなく、東大は受験の偏差値・難易度において日本最高峰の大学である。そこに入学・卒業したという経歴のステイタスも相当高いと言えるだろう。「東大生は使えない」「世界の大学と比べると東大はまだまだだ」などの言説は昔も今もあるが、これもまた東大が注目を集めていることの裏返しではないか。

 東大など自分には無理だ、無縁だと思ってしまいがちだが、入試で出題される問題や科目構成、取るべき点数などを冷静に考え、然るべき対策をすると東大合格は可能であるということを、この作品は示している。つまり、一見すると難易度が高い目標に見えても、解決策は見えることを明らかにしている。

 普段の仕事の中で、「そんなことは無理だ」と決めつけているものはないだろうか。たとえば、競合からのシェア奪還、難攻不落の取引先からの契約、革新的な新商品の提案などだ。東大受験ですら、冷静に分解すると見え方は変わるのだ。同作品のように、難易度の因数分解をすると、解決策が見えてくるのではないか。

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