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オリンピックの余韻 聖火、そのきらめきと激しき熱量 (1/3ページ)

秋月涼佑
秋月涼佑

 東京2020オリンピック競技大会が終わりました。振り返れば、多くの感動と興奮にスポーツの素晴らしさを実感し、共有した17日間だったというのが誰しもの素直な感想なのではないでしょうか。

 とは言え、同時に多くのスキャンダルやトラブルに見舞われたこともまた事実です。

 そもそも開閉会式会場となった国立競技場の建て替えは、世界的建築家の安藤忠雄氏を委員長とする国際デザイン・コンクールで、これまた世界的建築家ザハ・ハディド氏の案を選定し実施設計まで終えながら、やや強引な形で現在の隈研吾氏案に変更されたいきさつが、異例としか言いようがない展開でした。

 さすが当代随一の売れっ子建築家隈氏の案は、異星から飛来したかのようなインパクトと自己主張のザハ案と比べて、いかにも日本文化の文脈を感じる木材の質感や圧迫感のないフォルムが穏やかで、誰もが受け入れられる良い選択だったと思いますが、その後ザハ氏が亡くなったこともあって、わずかな後味の悪さは否めません。【筆者関連記事:隈研吾設計・新国立競技場に見る「日本人の選択」】(他サイト)

 その後も、一度は採用された公式エンブレム案のデザイン盗用を疑われ世の中の激しいバッシングの嵐の中で結局不採用となった佐野研二郎氏や、パワハラを問われてオリンピック演出の担当を外された電通菅野薫氏らの堕天使のごとき転落は、トップランナーのあまりに短時間での暗転劇だっただけにこれまた相当な衝撃を受けざるを得ませんでした。

 その後も開幕式直前まで日替わりのように新しいスキャンダルが噴出したことは記憶にも新しく、五輪に関わるものすべてが焼き尽くされかねないような成り行きは、やはり「ただ事」ではなかったという他ありません。

■圧倒的な期待感と背中合わせの可燃性

 そうオリンピックはまさに「ただ事」ではないイベントだったのです。

 昔、ある業界内のセミナーで日本航空の当時の広報部長さんの講演を伺ったことがありました。「弊社で何か不祥事があると、手がリャンハン上がる」という言い方で、あえて麻雀の役、点数計算の例えを使って自社のイシュー=世間を騒がすような出来事、事件が他企業の同様案件に比べていかに取りざたされやすく、大ごとになるかということを表現されていました。

 まさに、ベースとしての企業の知名度や社会的役割の大きさが、どんな出来事をも関心を惹き寄せ、それが不祥事であればより厳格な基準で世の中からのバッシングを受ける部分があるというお話でした。その構図は正の側面としてまずその企業への高い評価や認知があり、コインの裏表としてその声望を裏切るような不祥事に対してより激しいネガティブな感情をかきたてるというものです。

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