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ビジネスパーソンにとっての「帰省」とは? コロナ禍に考える親の「終活」支援 (1/2ページ)

常見陽平
常見陽平

 結婚情報誌『ゼクシイ』は、盆と正月に男性読者比率が上がるのだという。帰省に合わせて、家族に挨拶をし、結婚の準備を始めるからだ。そう、盆と正月は本来、帰省シーズンなのである。

 ただ、今年の盆も胸を張って帰省はできなそうだ。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、西村経済再生担当相は盆に帰省して親族の集まりや同窓会を開くことは「絶対に避けていただきたい」と強調。蔓延防止等重点措置の適用地域も計13道府県に拡大され、全国的にも県を超えた移動だけでなく、帰省に合わせた親族や友人との集まりでクラスターが発生することが懸念されている。

 帰省、旅行に出かけていいものか問題

 とはいえ、「帰省を控えて」さらには「外出を控えて」と言われても、腑に落ちない人もいるだろう。五輪は開催され国内外から人が集まった。バッハ会長の銀座散策が批判され、丸川五輪担当相の「不要不急は個々人が判断するべきだ」という発言が火に油を注いだ。テレビ朝日の五輪関係者10人が早朝まで打ち上げを開き、女性社員がビルから落下した事案も話題となった。「多くの国民が我慢しているのに、あれはどうなの?」と言いたくなる状況だ。

 私たちはいつ「胸を張って帰省」できるようになるのだろう。モヤモヤする。この「胸を張って」というのが大事だ。SNSの投稿などを見ていると、今年に入ってから「実は帰省していました」「旅行に行ってきました」「ワーケーションで○○にきています」というような投稿が目立つようになった。少し時間を置いてから投稿するのがポイントだ。いかにも「感染症対策に気を使っています」「少人数で行動しています」「やむを得ない事情でした」と伝わるように工夫がなされている。

 一方、徹底して帰省を我慢している人もいる。SNSを眺めていると、結婚する際の家族の顔合わせもZOOMで済ませる人がいるようだった。

 新型コロナウイルスには私も罹りたくはないし、感染拡大に加担したくもない。ただ、政府関係者の発言にも矛盾があるし、ルールを破っている人もいる。結局、帰省も旅行もしているのなら、もっと胸を張って、人に隠れずに出かけたい。こうした“モヤモヤ”は今、多くの人が抱えているのではないだろうか。

 親の「終活」支援をどうするのか問題

 念のため誤解なきように前提を伝えると、本稿は別に新型コロナウイルスが感染拡大する中で、帰省をするべきだと言っているわけではない。感染拡大や医療崩壊を防ぐためにも、帰省をしないでほしいという政府の呼びかけは分かる。そもそも、お盆にみんなが一斉に休んで帰省するという「日本的な休み方」にも問題はあるだろう。私自身、盆の帰省というものを、実家を出てからの約30年間で5、6回しかしていない。正月もそうだ。コスパが悪いからである。いつも出張や同窓会、地元で見たいライブがあるタイミングなどで帰省している。

 ただ一方で、実は帰省するという行為自体、私たちビジネスパーソンにとって大切な行為であるという点は確認しておきたい。なぜなら、帰省は親の「終活」支援に大きな意味を持つからだ。

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