最強のコミュニケーション術

脱フィーリング上司! 「言語化」能力を鍛えてオンライン時代のストレス減 (1/2ページ)

藤田尚弓
藤田尚弓

 伝え方や言い回しを変えると、自分を取り巻く環境が変わり、やってくるチャンスも変わっていきます。皆さんは自分のコミュニケーションに自信がありますか? この連載ではコミュニケーション研究家の藤田尚弓が、ビジネスシーンで役立つ「最強のコミュニケーション術」をご紹介していきます。

 第33回は「言語化」がテーマです。感覚的に掴んでいることを、相手にわかりやすく伝える技術が、ビジネスにおいて強力な武器になるのは皆さんご存知のとおりです。しかし、言語化する際のコツや言語化のデメリットについては、あまり考えたことがないという人も多いのではないでしょうか。リモートワークやオンライン商談などが増えてきた今、ビジネスの攻めと守りに必要な言語化のコツをご紹介します。

リモートワーク時代に特に意識したい「2つの言語化」とは

 リモートワーク時代に意識したいことの1つめは「暗黙知の言語化」です。新型コロナウイルス登場前は、会社に行き、顔を合わせて仕事をするスタイルだったので、職場の文化や暗黙知は、あえて伝えなくても雰囲気や周囲の反応から学んでもらえる環境でした。

 しかし、リモートワークが増えたことで、周りの人の動きを見ながら学ぶ機会は減少傾向にあります。またマスク着用がスタンダードになったことで、表情から反応を見て学ぶ機会も減りました。ベテランにとってはこれまでと大差はないかも知れませんが、新人にとっては暗黙知を身に着けにくい時代と言えるでしょう。

 中堅の人でも、期待する成果や仕事内容を感覚だけで伝えるタイプの上司に当たると、成果を出すのが難しい環境と言えます。指示や教え方が曖昧な「フィーリング上司」は、感覚が合う人の場合や長年一緒に仕事をしている人ならやりやすいのですが、そうでない場合には期待されていることがわからず苦労します。オンラインではこの傾向が強くなるので、言語化は更に重要です。

 暗黙知を言語化するときのコツは、期待することを数字と具体例を使って伝えることです。

《例》

「オンタイムに開始するのではなく、準備をして臨んでください。例えば、オンライン会議では、事前に送った資料に目を通して5分前には入室お願いします」

 運悪く、フィーリング上司に当たってしまった人は、質問をして理解不足を補うことが大切です。このとき「具体的にどのくらいですか?」という聞き方をしてしまうと、上司が不快に感じることがありますので「理解を確認する」というスタンスで質問するのがよいでしょう。このときも数字を使うと共有しやすくなります。

《例》

「訪問数を増やすというアドバイスありがとうございます。具体的に月20件ほど増やせばいいのかと思ったのですが、この理解であっていますでしょうか」

 2つめに意識したい言語化は「相手への配慮」です。「注意したことが否定に聞こえてしまう」「断ったことが、軽んじているように感じられてしまう」「依頼が、無理を強いているようにとられてしまう」など、立場上伝えなければいけないことが、ネガティブに受け止められてしまうこともあります。

 直接会っている場合には、表情や声のトーン、その後の振舞い(例:ランチに誘うなど)で悪気がないことが伝わることも少なくありません。しかしオンラインの場合は、生じてしまった誤解が打ち消される機会はそう多くありません。相手への配慮は、言葉にしてしっかり伝えていくようにしましょう。

《例》

「××でお忙しいところだと思いますが、大事な仕事なのでこの分野に詳しい〇〇さんにお願いしたくて。思い切って声をかけさせてもらいました」

 日本人は特に「わかってくれるだろう」という察しの文化が強く、言葉足らずな傾向にあります。在宅勤務ではリカバリーの機会が少なくなると考えて、配慮は意識して言葉にしていきましょう。

ネーミングのメリットとデメリット

 「ネーミング」も言語化テクニックのひとつです。ネーミングというと「プレゼンや提案などでも、ピタリとハマる言語化をして勝った」というような、攻めのテクニックのように感じる人もいるかも知れません。しかし普段の業務でもネーミングは威力を発揮してくれます。

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