学校法人明浄学院の資金21億円を横領したとして、業務上横領罪に問われた東証1部上場の不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の前社長、山岸忍被告(58)の判決公判が28日、大阪地裁で開かれ、坂口裕俊裁判長は無罪(求刑懲役3年)を言い渡した。
山岸被告は、同罪で懲役5年6月の実刑判決が確定した法人の元理事長らと共謀したとする起訴内容を否認。検察側は論告で「魅力的な土地を確保する巧妙な計画と知り加担した」と主張、弁護側は「資金は法人への貸付金の返済と認識し犯意や共謀はない」と反論し、無罪を主張していた。
起訴状によると、山岸被告は元理事長らと共謀して平成29年7月ごろ、法人が運営する明浄学院高の土地の一部を、別の不動産会社に30億円で売却する契約を締結。山岸被告は、元理事長が法人を買収する資金として18億円を貸し付けた。その後、別の不動産会社から法人に土地購入の手付金として21億円を支出させ、複数の口座を経由して回収し、横領したとしている。