働き方ラボ

年末の掃除をラクにする“処分基準”の決め方 トヨタ式の整理・整頓術を伝授 (1/2ページ)

常見陽平
常見陽平

年末だ 片付けよう

 ベストセラー『人生がときめく片付けの魔法』(近藤麻理恵 サンマーク出版)を、間違えて「人生が片付く~」と言ってしまい、失笑を勝ってしまったアカウントがこちらである。いや、片付けをして、人生が終わってしまうことはない。むしろ、たしかに、人生は輝き出す。

 いまや「世界のコンマリ」となった近藤麻理恵さんにはかなわないが、実は私も片付けの名人である。オンライン会議をするたびに「きれいな環境で働いていますね」と言われる。ついには、片付け、整理・整頓、ペーパーレス化について講演依頼がくるほどになってしまった。

 実は、私はトヨタ自動車とリクルートグループの合弁会社OJTソリューションズの立ち上げメンバーなのである。出向していた2年間で、トヨタ生産方式、なかでも「トヨタ式の整理・整頓」を社員から直々に学んだのである。そのメソッドを活用し、この20年間、すっきりとした机で仕事をしている。私の机の上には、PCと電話とランプ以外、何もないのだ。

 年末が迫ってきた。オフィスも、自宅もすっきりしたい。そのノウハウをここに惜しげもなく公開しよう。

片付けを単なる美化運動と考えてはいけない

 ここでよくある誤解が、片付け、整理・整頓、ペーパーレス化など「すっきりする」活動を単なる「美化運動」「お掃除」だと捉えることである。間違ってはいないが、正しくもない。美化運動だとしたら、お金持ちはプロの掃除業者に仕事を依頼して、常にすっきりした環境で働いていることだろう。たしかに、大手企業の経営陣は、秘書などが机を完全にきれいにしていることもあるだろうが。

 実はこれらの活動は、単に身の回りをきれいにするだけではない。片付けは、自分の働き方、生き方を見つめ直す行為なのである。

 製造現場における「整理」の定義は、「要るものと要らないものを分けて、要らないものは即刻処分する」というものである。つまり、要るものと要らないものの基準を明確にしなくてはならない。この作業は、自分の価値観を問い直すことにつながる。オフィスワークでも、書類の整理を通じて、無駄が多くないか、顧客の期待に応えているかなど、自分たちの仕事のプロセス・提供価値を見つめ直すきっかけになる。

 昨今進んでいるペーパーレス化も同様だ。その紙の必要性を問うと、業務プロセスの問題点や無駄が明らかになることがある。紙をゼロにしなくても、減らすという方向もありえる。会議資料はA4で2枚以内、A3で両面1枚以内などとルールを決めている企業もある。ペーパーレス化は今すぐできるDX(デジタルトランスフォーメーション)でもあり、一部はデジタル投資を伴うが、仕事の進め方を根本的に変えることが可能である。

 「捨てる」ことは、痛みを伴う。ただ、「もったいない」「いつ必要になるかわからない」と思って保存するものは、たいていは使わないものである。結果として、場所をとってしまい、散らかったままになってしまうし、頭もスッキリしない。

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