1億円貯めた年収400万円台“並のサラリーマン” 配当月10万円「FIRE」生活達成までの道のり

47歳で資産1億…ついに「FIRE」達成

44歳で、母親の介護を経験しました。私自身も持病が芳しくなく、仕事と介護・家事の両立は困難であり、介護休職を経験しました。介護と家事はしっかりと向き合い、母親は元通り元気になりました。このとき、介護休職による国のセーフティネットは、給与のおよそ3分の2が3カ月間支給される介護休業給付金のみです。FIREの「FI」(経済的自立)がすでにできていて、お金の心配をしなくても済んだことが大きかったです。

FIREを目指す過程で、いろいろと不安があり、たくさん悩みもした(Getty Images)※画像はイメージです
FIREを目指す過程で、いろいろと不安があり、たくさん悩みもした(Getty Images)※画像はイメージです

投資では大きな転換点を迎えました。2年間継続した外国株投資信託のパフォーマンスが良かったことから、外国個別株投資を始めました。

こうして、紆余曲折(うよきょくせつ)を経て2020年秋、47歳で資産約1億円を貯め、25年在籍した勤務先を退職して、FIREしました。

この時すでに、全世界・増配株および高配当株・長期投資・配当金再投資というFIRE後の投資手法は確立していました。一部、成長株にも投資しています。ゆくゆくは、配当金を「じぶん年金」として生活費に充てる考えです。

退職の不安を打ち消した執筆依頼

FIRE直前は、25年も勤めた会社を辞めることへの不安に襲われていました。2020年秋のFIREと同時に、宝島社さんより単行本出版の話が舞い込み、数カ月間、それに打ち込めたことによって、退職後の不安感情が解消されました。単行本が出版される2021年春頃には、FIRE生活にも慣れ始めて、不安感情は皆無でした。

ちょうど、FIREムーブメントの走りの頃と重なって、多くの取材を受けることになりました。1年間で20以上の取材を受け、2021年夏以降は自分で文章を書き、出版社に寄稿し始めました。こうして、執筆家として活動するようになりました。

2021年、父親が難病を患い、介助が始まりました。父親は事業を営んいでいましたが、私が代理を務めて、企業の社長さんや弁護士さんなどと仕事をしました。多くの仕事を同業者に引き継ぎ、2021年9月末には会社を自宅に移転し、残務整理だけになりました。それも完了させて、2021年12月末に廃業しました。

2021年10月より、「子ども食堂」のボランティア活動を始めました。立ち上がったばかりの「子ども食堂」で、たったの2名で活動していました。資金面、活動面の両方で組織化が課題だと感じた私は、周囲に声をかけるなどして10名ほどに合流してもらうことができました。

地元のフードドライブ(各家庭から賞味期限を迎えそうな食料や余った食料を提供してもらい、各種団体に支援する活動)と連携し、農家さんからも協賛を得ることができました。こうして短期間で組織化に成功しました。さらに進化させて、持続可能な活動にしていきたいと思っています。

このように、FIREしたとはいえ隠居生活とは程ほど遠く、私には働いている方が合っているようです。資産1億円以上と配当金が月平均10万円あり、働かなくとも人生は逃げ切れますが、暇を楽しむのは老後でいいと思っています。私のFIREの定義は、「FI(経済的自立)」により会社という組織を「RE(早期退職)」して、「選択肢」のある人生を送ることです。その『選択』が、これら活動ということです。

■最後に

私は、FIREを目指す過程で、いろいろと不安があり、たくさん悩みもしましたが、関連書籍を探すも、お金のことを書いた投資本はあれど、お金以外のことに触れたFIRE本は見つかりませんでした。そこで、私が自身の経験をアウトプットすることで、僭越(せんえつ)ながら、FIREを目指される皆さまの参考になれれば嬉しいという思いでおります。

このコラムでは、FIRE、投資、節税、節約、資産運用、マネー、人生、介護などをテーマに、月2度を目安にして今後は第1・3火曜日にアウトプットしていきます。末永くよろしくお願いいたします。

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