ところが、今回の裁判ではC社がB社に新株発行無効などを求める訴えを東京地裁に起こし、5月8日に1回目の弁論が行われた。
◆身内の争いと突き放すタカタ関係者
争いの構図は簡単だ。東京地裁の裁判記録によると被告B社の株主は、原告C社51%と訴外D社49%だった。C社は暁子氏系、D社は重久氏系が源流となっている。
原告側は、重久氏と実母の暁子氏の間に軋轢が生じ、重久氏がD社に新株を発行したという。これでD社が51%の過半を占め、C社は49%と過半割れになった。この一手で暁子氏系のC社が本流を外れ、D社に100%出資している重久氏が本流に座った。
するとB社の取締役だった暁子氏と次男が今年1月16日、突然解任された。これに対抗し今度は1月18日、C社の代表取締役だった重久氏が解任された。被告側は長年、タカタグループの経営は重久氏が行ってきたと反論している。
東京商工リサーチの取材にB社、C社の代理人はともに「コメントできない」と回答。タカタの関係者は「この裁判は民事再生手続きに影響はない」とあくまでも身内の争いと突き放す。結局、“名門”タカタ一族もお決まりの「争続」に嵌ってしまった。
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