「ドイツ勢を見てみろ」と言われ決意 スープラ復活を渇望したのは豊田章男社長だった (1/4ページ)

 17年ぶりに表舞台に帰ってくる人気車種「スープラ」。その復活を誰よりも強く望んでいたのは他でもない、トヨタ自動車の豊田章男社長だ。いま自動車業界は自動運転や電動化が進むなど「100年に一度」と言われる大変革期を迎えているが、時代に逆行しているようにも思えるピュアスポーツカーの復活劇には、どんな思いが込められていたのだろうか-。先月開催された東京オートサロン(TAS)のトークショーで、友山茂樹副社長らが披露したエピソードを交えながら紹介する。(文・写真 大竹信生/SankeiBiz編集部)

左から脇阪寿一氏、トヨタの友山茂樹副社長、大塚友美氏、多田哲哉氏

左から脇阪寿一氏、トヨタの友山茂樹副社長、大塚友美氏、多田哲哉氏

 先代のA80型が2002年8月に生産終了となってから17年、ついに5代目となるA90型スープラの復活がアナウンスされた。新型車は歴代モデルとは異なる2シーターに変更されたが、伝統の直列6気筒エンジンと後輪駆動(FR)はしっかりと継承したピュアスポーツカーで、日本での発売は今春を予定している。

新型スープラ(手前)とGRスープラ・スーパーGTコンセプト

新型スープラ(手前)とGRスープラ・スーパーGTコンセプト

 新型スープラはトヨタのGAZOOレーシングカンパニーが手掛けた初のスポーツ専用モデルで、同社が2011年から技術提携を結ぶ独BMW社との共同開発であることも大きな話題となった。ちなみにGAZOOレーシングとは、トヨタが掲げる「もっといいクルマづくり」への挑戦を使命として豊田社長らを中心に立ち上げた社内プロジェクト。「道が人を鍛え、クルマを鍛える」を合言葉に、“スポーツカー開発の聖地”として有名なドイツ・ニュルブルクリンクで行われる24時間耐久レースや、世界ラリー選手権(WRC)など様々なカテゴリーのレース参戦を通じて磨いた技術や経験を、市販車開発に生かしている組織だ。先のTASでは新型スープラで今年のニュル24時間レースに参戦することも発表された。

 それにしてもなぜ、生産終了から17年も経ったスープラを今さら復活させるのだろうか-。実は復活に向けたプロジェクトがスタートしたのは7年前の2012年のことだという。友山副社長と新型スープラの開発責任者である多田哲哉氏が、TASで行われたトヨタのトークショーで「スープラ復活劇」の背景などを語った。

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