プロ野球とコナミ“日本シリーズ”開催 eスポーツで人気拡大図る

野球ゲームの日本一を決める「SMBCe日本シリーズ」の表彰式=1月12日、東京都江東区(NPB、コナミ提供)
野球ゲームの日本一を決める「SMBCe日本シリーズ」の表彰式=1月12日、東京都江東区(NPB、コナミ提供)【拡大】

 日本野球機構(NPB)とコナミデジタルエンタテインメントは、コンピューターゲームを使った「SMBC e日本シリーズ」を開催した。西武がDeNAを下して初代日本一に輝いた戦いを、多くの人が見守った。コナミの担当者は「想定以上だった」と言うほど、熱気に包まれた。球界もゲームの盛り上がりを足掛かりに、さらなる人気拡大や若者へのアピールへつなげたい考えだ。

ゲーマーがリーグ戦

 1月12日、東京都江東区内の施設は満員の観衆で埋め尽くされた。プロ野球の12球団が3人のプロゲーマーでチームを編成。昨年11月からペナントレースを行い、優勝を争った。西武の一員として日本一を手にした大川泰広さん(24)は長野・佐久長聖高の野球部に所属した元投手。3年夏にチームは甲子園大会に勝ち進んだが、ベンチには入れなかった。大学では軟式野球部に所属したものの肩を痛めて引退。優勝が決まった瞬間、「やっと野球で日本一になれた」と感極まった。

 プロ野球側には、ゲームを入り口に野球に興味を持ってもらえればとの思惑がある。プロ野球の斉藤惇コミッショナーは「あまり野球に親しみのない若い世代が、ゲームからリアルのプロ野球に興味を持ってくれたら」と「eスポーツ」に期待を寄せる。

 ゲームには選手が実名で登場する。現実のプロ野球での成績に応じて、シーズン中にゲーム内の選手の能力も変更されるため、自身がゲームでプレーしている選手のレベルアップを願って、実際の選手を応援する楽しみも生まれる。

相乗効果に期待

 現実の選手の特徴を再現するために、ゲームでは選手のパワーや球速といった基本的な能力だけでなく、勝負強さなども細かく設定されている。オリックスの後藤駿太外野手(25)は「満塁に強いとかの評価が気になる。ファンにそういうふうに見られているんだと分かって面白いし、モチベーションになる」と若い選手を中心にゲームの存在が相乗効果を生んでいる。

 eスポーツは中国の杭州で2022年に開かれるアジア大会で正式競技となり、今秋の茨城国体ではサッカーゲームなどが都道府県対抗の文化プログラムとして行われる予定だ。日本スポーツ協会国体推進部の岩田史昭部長は、盛り上がりを歓迎した上で「『身体運動ではないのにスポーツなのか』とか、依存症の問題など否定的意見もまだある」と見守る考えだ。

 スポーツとしては慎重な意見もあるが、ビジネスとしての期待は高い。e日本シリーズは既に今季終了後に第2回大会の開催が決まっている。斉藤コミッショナーは「秋まではリアルの野球、オフからキャンプインまでの間はゲーム。一年を通じてプロ野球の話題を提供したい」と今後も力を入れる意向だ。