【遊技産業の視点 Weekly View】次世代版遊技機、来年にも導入か

POKKA吉田
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 □ぱちんこジャーナリストLOGOSインテリジェンスパートナー・POKKA吉田

 遊技客が現金をユニットやサンドに入れる。玉貸・メダル貸ボタンを押すと一定数の玉・メダルが皿に出てくる。それを用いて遊技する。これが既存のぱちんこパチスロの遊技方法だ。この遊技方法の次世代版がそろそろ登場する見込みだ。

 メーカー組合の日本遊技機工業組合(日工組)、日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)は2月に入ってぱちんこ業界団体のいくつかに説明を始めた。それぞれ「管理遊技機」「メダルレス」と呼ばれるもので、遊技客は玉・メダルを手に取ることがないまさに次世代の遊技機である。イメージとしてはゲームセンターに設置されている遊技機に近い。

 遊技客が得た玉・メダルの貸料金相当の賞品と交換できるのがぱちんこ営業の原則だ。このため、玉やメダルに触れない遊技機の場合、出玉情報は逐一遊技機側が管理してデータによって賞品交換となる。つまりジェットカウンターでの計数作業がなくなる。既存の遊技機島にも各台計数機設備はあったが、これは台ごとに計数機が一つずつ備わっている島設備であり、遊技客は玉やメダルに触れて遊技しているため次世代遊技機とは全く異なる。

 警察庁は昨年改正施行された規則からこの次世代遊技機を許容した。理由は「データ管理をすることによって射幸性の抑制になり、結果依存対策になる」ということだった。このため、次世代遊技機は出玉データなどを外部でデータ管理して異常データが出ていないか逐一チェックするという仕組みがセットである。この仕組みが構築されると次世代遊技機の導入が始まる。

 遊技機性能としては既存機種と同じ規則なので出玉規制などは全く同じ。開発企画はぱちんこもパチスロも進んでいて、ともに年内までに型式試験申請の見込みだ。実現は早ければ来年の早い段階になり、遅くても来年後半くらいが目標スケジュールとみられる。

 昔は手打ち。それが電動ハンドルになった。昔は一枚ずつ投入。それがMAXBETボタンで一気に投入になった。このように遊技機は徐々に次世代仕様への変化を続けていく。

【プロフィル】POKKA吉田

 ぽっか・よしだ 本名・岡崎徹。1971年生まれ。神戸大学経済学部中退。著書に『パチンコが本当になくなる日』(扶桑社新書)など。2016年2月より本名の岡崎徹としてぱちんこ業界紙「シークエンス」発行人編集長。