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白鵬帰化 年寄の国籍条件撤廃を (2/2ページ)

 現役引退後の職場

 部屋持ち親方(師匠)は相撲部屋の経営者であり、弟子(力士)の指導者であり、相撲協会の構成員である。弟子の指導・育成のほか、自分の部屋に配属された行司、呼出、床山などの協会員を指導・養成することも仕事となっている。

 部屋持ち親方には、協会の構成員としての報酬のほか、所属力士1人当たり1場所ごとに部屋維持費と稽古場経費、幕下以下の力士への力士養成費、関取を育て上げた養成奨励金などが支給されているが、それらで不足する経費は、「タニマチ」などの支援者から調達するという経営手腕が必要なのである。

 一方、部屋持ち親方ではない年寄は部屋付き親方と呼ばれ、相撲部屋に所属し、師匠を補佐し、力士の指導などを行うほか、相撲協会の職員としての仕事を行う。歴史的経緯により年寄が主体となって運営されている大相撲において、年寄は力士の引退後の職場としての性格を有しているのである。

 若くして日本に来て、日本人力士よりも苦労して力士となり現役を務める外国人力士に、自国籍の喪失を伴う帰化という過酷な選択を強いる現在の年寄襲名資格から日本国籍条件を撤廃するよう強く主張したい。

【プロフィル】宮田正樹

 みやた・まさき 阪大法卒。1971年伊藤忠商事入社。2000年日本製鋼所。法務専門部長を経て、12年から現職。二松学舎大学大学院(企業法務)と帝京大学(スポーツ法)で非常勤講師を務めた。

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