パパ編集部員の育休エブリデイ

(2)「何のために育休取ったの!」 男女は脳内も体も考え方も違う (2/3ページ)

SankeiBiz編集部

 妻「夫の最大の役割は産後の妻をケアすることだって、最初に確認したでしょ!」

 私「じゃあ、いつ誰が皿を洗うんだよ。このまま放置したら汚いだろ」

 妻「皿なんて今はどうでもいいでしょ! この状況を見て何とも思わないの!」

 どうでもいい--。一瞬にして怒りの頂点に達した私は、思わず声を荒らげて応戦した。

 私「こっちもいろいろ考えながら家事やってんだ! この後もやる事が山ほどあるんだよ!」

 私は妻のためを思って積極的に家事をしていたつもりだった。こまめに時間を確認しながらロジカルに、計画通りに家事を進めていた。それを「皿洗いはどうでもいい」と否定されたら、こっちも頭にきて当然。後回しにするのもハッキリ言って面倒くさいのだ。個人的には「子供は泣いて当たり前。母親なんだから少しくらい我慢できないの?」とも思っていた。

 しかし、女性の考え方は違うようだ。まず、優先順位として家事は二の次なのだ。そもそも夫にそこまで完璧な家事など求めておらず、最も大事なのは母子の心身の安定なのだ。「そんなの当たり前だよ!」と読者の皆さんから怒られそうだが、当時の私はとにかく「自分が抱っこしても子供は泣き止まないから、家事を頑張るんだ!」と皿洗いに必死だったのだ。あるママさんから「その状況なら確かに食器はどうでもいいよね。お皿はしばらく洗わなくても大丈夫だけど、赤ちゃんはお乳をあげたり面倒を見ないと生死にかかわるからね」と言われてしまった。

 女性が赤子の泣き声に敏感で神経質になりやすいことも、すっかり忘れていた。ホルモンバランスが乱れやすい授乳期は特にそうらしい。恐らく私を含めた多くの男性は、子供の泣き声はそれほど気にならないし、「少しくらいその辺に置いたままでも大丈夫でしょ…」というくらいの感覚を持っていると思うが、多くの女性にとっては到底あり得ない話なのだ。

 この事件と性質は異なるかもしれないが、「男女の差」や「考え方の違い」に起因する育児の難しさは、その後の半年間で何度も味わうこととなった。特に娘と二人だけで出かけるときは顕著だった。

 平日に子供を遊ばせる施設に行けば、部屋に入った途端に好奇の目にさらされた。平日の児童館や公園は、週末時と比べて圧倒的にパパが少なく、何かと目立つ。娘のオムツを替えようとベビー休憩室に入れば、隣のオムツ替えシートに私のような男性が来ることに戸惑いを見せるママさんもたまにいた。女児を持つママさんは特にその傾向が強い印象で、私もデリケートな問題であることを理解しつつ、若干の居心地の悪さを感じながらも、娘のために笑顔でオムツを替えた。

 父親にはできないこともあるが…

 育児をしていると、男性にはどうしようも出来ないこともたくさんある。赤ちゃんが「おっぱいが欲しい、でも粉ミルクはイヤだ!」とグズったときなど、パパはお手上げだ。子供が「ママじゃないとイヤだ!」というケースもそうだ。こういう時、母親は赤ちゃんに授乳をしながら同時に上の子もあやす、というかなり過酷な状況に陥るが、こういう場面で男性が役に立つのは現実的に難しい。最初はそれでも上の娘を無理やり抱っこして妻の負担を減らそうと努めたが、その結果、娘が大泣きして逆に妻にも気を遣わせたため、「自分には無理なのだ」と割り切ることにした。

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