ヘルスケア

画期的インフル薬「ゾフルーザ」の誤算 変異ウイルスで意見分かれる (1/4ページ)

 インフルエンザを1回の服用で治療でき、高い抗ウイルス力を持つ画期的な新薬として、昨年3月の発売から脚光を浴びていた塩野義製薬のゾフルーザをめぐり議論が起きている。変異したウイルスが高率で出現することの解釈をめぐって、意見が分かれているのだ。変異することで薬が効きにくくなる耐性ウイルスが出現し、蔓延を恐れる感染症の専門家からは慎重な処方を求める声があがる一方、塩野義は変異しても薬は効いている可能性があるとする。耐性への不安を払拭するためにも、今後も正確な分析結果の情報開示が求められる。ただ、分析にはデータ量も時間も必要で、一気にインフル治療薬勢力図の塗り替えを狙ってきた同社の目算はくるったようだ。(安田奈緒美)

 高い割合で出現

 「ゾフルーザを外来で第一選択薬として使用してよいかどうか議論していく」

 日本感染症学会でインフルエンザ対策の委員を務める愛知医科大の三鴨広繁教授はこう話す。変異ウイルスが他のインフル治療薬よりも高い割合で出現すると指摘される中、「重症患者など限られた処方に制限すべきだ」と考える。ゾフルーザの投与によって生じた変異ウイルスが薬に対して耐性のあるものなら、高率で発生すれば、その治療がより困難になるリスクがあるからだ。

 同学会は平成23年にまとめたインフル治療薬の使用指針を今年秋までに改訂し、ゾフルーザの使用基準に関する提言もまとめる方針。委員の中には「使用制限は性急」と考える医師もいるが、三鴨教授は「全国の医療機関や医師に対して、慎重な使用を訴えるべきだ」と話す。

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