健康カフェ

(155)果汁100%ジュース 野菜や果物は飲むより食べろ

 野菜や果物が足りないと思ったとき、野菜ジュースや果汁100%ジュースが健康をサポートしてくれるのではないかと考える人は少なくありません。糖分を加えたジュース(加糖飲料)は体に良くないけれど、果汁100%ジュースは良いとも考えがちです。

 糖尿病で私のクリニックに通院する50代後半の男性患者さんも、接待などで外食が多く、野菜や果物を食べる機会が少ないため、思い出したときには野菜ジュースや果物ジュースを飲むようにしているということです。血糖値のこともあるのでジュースは控えめにするようお話しすると、「普通のジュースとは違ってビタミンも入っていて健康に良いのではないですか」とおっしゃいます。

 ただ、実は果汁100%ジュースも普通のジュースも中身は大差ありません。ほとんどは水分と糖分で、多少のビタミンが入るかどうかが違う程度です。

 加糖飲料や果汁100%ジュースが死亡率に影響するか調べた研究結果が5月に米国の医学雑誌に報告されました。心臓や血管などの心血管病や糖尿病のない45歳以上の米国人約1万3千人を対象に、平均約6年の経過で飲料摂取と死亡率の関係を調べたところ、結果は1日当たりの加糖飲料摂取が350ミリリットル増えるごとに死亡率は11%上がり、果物ジュースでは24%上がっていました。ただ、どちらも心血管病死とは明らかな関係が見られませんでした。

 糖分を含む飲み物は、当然ながらその糖分に相当するカロリーを含みますが、飲んで摂取したカロリーは体が知覚しにくいため食欲を抑えることにはつながりません。結局は食べて余分にカロリーを摂ることになり、結果として糖尿病や高血圧、脂質異常といった病気を引き起こす可能性があります。

 野菜ジュースについては今のところ体に良いとも悪いとも言えるような研究結果がありませんが、果汁を含め糖分が添加してあるものは控えたほうがよさそうです。

 男性患者さんには、せっかくなら野菜や果物をしっかりかんで食べるようにお話ししました。(しもじま内科クリニック院長・下島和弥)

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