日本のスポーツカーがターゲットに
そもそもアメリカでは日本のスポーツカー人気は凄まじい。特に、アメリカに新車で輸入されてこなかったモデルは走り派の中で注目されている。当時、バブル経済に後押しされて開発されたモデルは魅力的な性能を誇っていた。ホンダNSXしかり。あるいはマツダ・ロードスターであり、トヨタ・スープラはいまでも若者のハートを掴んで離さない。安定的な人気がある。R33型スカイラインGT-Rは玉不足に陥っている。
つまり、オリエンタルなスポーツカーを待ち焦がれているユーザーが、製造から25年経過するのを待ち焦がれ、彼らのターゲットになっているのが、2020年の今年から遡ること25年前の1995年に製造されたR33型スカイラインGT-Rだというわけだ。
4年前にはR32型が高騰
実はその先代のR32型スカイラインGT-Rも、25年ルールが適用された4年前に高騰した。日本の程度良好な中古車がかき集められ、海を渡った。その余波で、日本の中古車価格は高騰した。その再来がいまR33スカイラインGT-Rに起きているのである。
すでに数年前から25年ルールを見越した投機目的のユーザーにより高騰が始まっている。なかなか手の届かない価格になってしまった。
【クルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は原則隔週金曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【試乗スケッチ】はこちらからどうぞ。