まさかの法的トラブル処方箋

「不倫バッシング」は倫理観の高さの現れなのか 不貞行為にまつわる“誤解” (3/3ページ)

上野晃
上野晃

 相互監視社会が招く民主主義の危機

 今の日本社会のSNSによるバッシングは倫理観に基づいているように見えて、その実、何らの倫理観もないといった感じがします。実際、バッシングの仕方は常軌を逸していたりもして、そのバッシング自体が反倫理的だったりしても、まったく反省する素振りも見せなかったりします。

 お上が作ったルールや制度への信頼を前提として社会全体で監視を続けるというのが本質であれば、それはきっと民主主義の危機と言えるかもしれません。

 われわれは、ルールや制度を守る必要はありますが、時に変える必要もあるからです。現在の日本人のSNS監視社会は、ルールや制度を変える活力を奪う可能性があります。それはもしかすると、時代の変化に取り残される結果を招くことになるかもしれません。

 いや、もうすでにそうなっているのかも。ふと思い立ったことをつらつら書いてみました。ちょっと考えてみてください。

神奈川県出身。早稲田大学卒。2007年に弁護士登録。弁護士法人日本橋さくら法律事務所代表弁護士。夫婦の別れを親子の別れとさせてはならないとの思いから離別親子の交流促進に取り組む。賃貸不動産オーナー対象のセミナー講師を務めるほか、共著に「離婚と面会交流」(金剛出版)、「弁護士からの提言債権法改正を考える」(第一法規)、監修として「いちばんわかりやすい相続・贈与の本」(成美堂出版)。那須塩原市子どもの権利委員会委員。

【まさかの法的トラブル処方箋】は急な遺産相続や不動産トラブル、片方の親がもう片方の親から子を引き離す子供の「連れ去り別居」など、誰の身にも起こり得る身近な問題を解決するにはどうしたらよいのか。法律のプロである弁護士が分かりやすく解説するコラムです。アーカイブはこちら

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