ヘルスケア

新型コロナ経口薬、年内実用化へ 国産開発支援にも注力

 政府は新型コロナウイルス感染症対策として、第6波の到来に備え、経口治療薬(飲み薬)の年内の実用化を急ぐとともに、国内への安定供給を確保するため国産経口薬の開発支援にも注力している。積極的に検査を受けてもらうには、経口薬の普及は不可欠で、今月上旬にも取りまとめる新型コロナ対策の全体像にも、必要量を確保する考えを明記する方針だ。

 経口薬をめぐっては、 米製薬大手メルクなどが米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請している。感染初期に多くの人が自宅で使えるため、ワクチンに並ぶ出口戦略の切り札として期待されている。政府は年内の実用化を念頭に、調達や審査を進める方針だ。経口薬を普及させることで、社会経済活動を軌道に乗せ、医療機関への負荷を軽くしたい考えだ。

 国内では軽症・中等症患者向けに、米製薬企業などが開発した抗体カクテル療法の点滴薬「ロナプリーブ」などが承認されている。外来患者や自宅療養中の患者にも使用が可能になったが、経口薬が普及すれば、用途は広がり、岸田文雄首相は「検査を受けるインセンティブ(動機付け)が働く」とみている。

 首相は予防、検査、治療を結び付けることで日常生活を取り戻したい考えで、1日の記者会見では「ワクチン、検査、飲める治療薬という流れを強化する。3回目のワクチン接種を12月から開始するとともに、無料検査の範囲を大幅に拡大する。飲み薬の年内実用化を目指し、必要量を確保する」と語った。

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