フィリピン最大の電力会社マニラ電力は、環境に優しい交通手段の普及を目指し、電気自動車(EV)メーカーとの提携を検討している。現地経済紙ビジネス・ワールドが、マニラ電力幹部の話として伝えた。
アルフレド・パンリリオ上級副社長は、マニラ電力のマヌエル・パンギリナン会長がバス型の乗り合い自動車「ジープニー」の新型電動車を試乗し、EVメーカーとの提携を思いついたことを明かした。
新型電動ジープニーはフィリピン国内のスター8が製造を手掛ける。
マニラ電力のパンリリオ上級副社長によれば、スター8では、イスラエル技術者の主導で製造が行われ、部品は中国から輸入されるという。
マニラ電力は約650万人の顧客を抱える。主力の配電事業を補完するためEV業界への参入を真剣に検討しているとみられる。
旧型の電動ジープニーはマニラ首都圏に属するマカティで2008年に登場した。18年12月にはマニラ電力の関連企業によって、新型電動ジープニーの本格的運行が首都圏の商業・金融の中心地マンダルヨンで始まっている。
パンギリナン会長は、マニラ電力のどの部門がEV事業に参入することを計画しているのかを記者団に尋ねられ、「どの部門がそれを行うのかは分からない」と明確な回答を避けた。(シンガポール支局)