海外情勢

手づかみの食事、比で人気 軍隊式の食事法がストレス解消にも

 バナナの葉の上にずらっと盛り付けられたご飯や肉、魚介類、フルーツに、老若男女が汚れも気にせず、手づかみで豪快にかぶりつく。もともと軍隊で始まった大胆な食事法「ブードルファイト」が、フィリピンで人気を博している。

 首都マニラに本店があるレストラン「ブラックビアード・シーフード・アイランド」。2004年の開業時からブードルファイトを取り入れ、メニュー表にはおかずの種類や盛り付け方が異なる12セットが掲載されている。

 「誕生日や卒業式のようなお祝いの日に、大勢でブードルファイトを楽しみに来るお客さんが多い。手を使ってみんなで同じものを食べるから絆が強まるんですよ」と、店長のシャーリーン・ソリアーノさんが説明してくれた。迫力ある見た目が「インスタ映え」することもフィリピン人の心をつかみ、1日に80食は注文を受けるという。

 ソリアーノさんによると、この食事法は、兵士たちが仲間意識を確認すると同時に、手早く食事を済ませるために考案された。食後はバナナの葉を丸めてしまえば片付けも楽だ。

 盛り付け方はさまざまだが、中央に山盛りのガーリックライス、その周りに焼き鳥や焼き魚、カニ、イカ、貝などがところ狭しと並べられるのが一般的。価格は3~4人分なら1150ペソ(約2400円)から、5~7人分では2000ペソ前後に設定されている。

 会社の同僚の女性7人でブードルファイトを楽しんでいたエスラ・コンデさんは「手で食べるのは昔ながらのフィリピンの伝統でもあるから抵抗はない。むしろストレス解消にちょうどいい」と話す。「でも口の周りと手が汚れるから大切なデートには不向きね」と言って同僚と笑い合った。(マニラ 共同)

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