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消費税めぐり自民党内に減税論 時限措置で経済刺激、英独は引き下げ

 自民党内で時限的な消費税減税論がくすぶっている。新型コロナウイルス感染拡大によって大きく落ち込む景気を刺激するためだ。英国やドイツなどは日本の消費税に当たる付加価値税の減税に乗り出した。現段階で政府は否定的だが、安倍晋三首相が消費税減税の判断を大義名分にして、年内にも衆院解散に踏み切るとの見方は消えていない。

 「減税すると税収は減るが、消費は活発化する」。首相の経済ブレーンとして知られた本田悦朗・元内閣官房参与は28日、国会内で講演し、コロナ禍の経済対策に消費税減税は有効だと指摘した。

 講演会を主催したのは自民党の若手有志30人でつくる議員連盟「日本の未来を考える勉強会」。党の保守系グループ「日本の尊厳と国益を護る会」(56人)と共に、消費税減税を求める緊急声明を3月に発表した。

 党内には、財政赤字が増えても問題なしとする「現代貨幣理論」(MMT)を支持する議員もいる。そのため消費税減税を容認する自民党議員は100人近くに達するとみられている。

 コロナ禍での経済復興を優先するため、欧州各国は「消費税」減税に相次いで取り組んでいる。英国はレストランやパブで飲食する場合などの付加価値税率を期間限定で20%から5%に下げた。財政規律を重んじるドイツも19%から16%に引き下げ、食品などに適用される軽減税率は7%から5%になった。

 オーストリアでは、アルコールを含む飲料の付加価値税が20%から5%になった。議連の若手は「日本も流れに乗り遅れてはいけない」と話す。

 衆院議員の任期満了は来年10月だ。首相は2014年11月に衆院を解散したが、消費税率10%への増税先送りの是非を問うものだった。議連メンバーはこの時と同様、税に関する判断は解散の大義になると踏む。

 野党では国民民主党が消費税率5%への引き下げを主張。所得の低い人ほど恩恵があるとして、共産党もコロナ禍での消費税減税を訴えている。自民党の中堅議員は「選挙の争点をつぶせる」と自信を示す。

 ただ政府は消費税について「社会保障のために必要なもの」(菅義偉官房長官)との立場を堅持している。首相は21日発売の月刊誌のインタビューで「減税を考えていない」と強調した。

 党幹部は減税を求める党内の動きに関し「消費税率引き上げを巡る歴史や苦労を、若手は何も分かっていない」と語った。

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