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人口50万人減でも成長維持へ生産性向上が急務 新型コロナで出産環境に逆風も

 総務省が5日発表した人口動態調査で15~64歳の生産年齢人口の減少が改めて明らかになり、経済成長を維持するため、働き方改革といった生産性向上の重要度が増している。新型コロナウイルスの感染拡大が長期化すれば、若年層の雇用や所得が悪化して出産や育児環境にマイナス影響を及ぼし、さらなる少子化につながるおそれもある。

 人口減少で働き手が減れば、経済成長の制約になりかねない。大和総研の神田慶司シニアエコノミストは「出生率を引き上げる政策は重要だが、効果が出るには20~30年かかる」と指摘。その上で、「テレワークなど働き方改革で働き手の減少を緩やかにすることが大事だ」と強調する。

 政府は7月に決めた経済財政運営の指針「骨太方針」と成長戦略で、経済、行政のデジタル化の加速と東京一極集中の見直しを掲げ、テレワークの定着も目指す。ただ、すでに取り組んできたメニューも多い。コロナ禍で高まったテレワークなどの機運を、いかに変革につなげられるかが課題だ。

 コロナ禍で6月の就業者は前年同月比で77万人減少し、3カ月連続でマイナスとなった。とくに若年層の雇用や所得が悪化すれば、結婚や出産、育児環境にも逆風となり、一段の少子化を招きかねない。

 第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「バブル経済崩壊後の不況が若年失業を生み、日本の少子化を加速させた。コロナ禍で再び同じショックが起こる可能性について、政策当局者は敏感になるべきだ」と警鐘を鳴らす。(大柳聡庸)

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