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ほっとする、やさしくてなつかしい味 瑞石庵

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ほっとする、やさしくてなつかしい味 瑞石庵

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人気の「瑞石(ずいせき)御膳」。自然薯(じねんじょ)のとろろや生麩(なまふ)の田楽(でんがく)などヘルシーさあふれる一品=2014年5月22日、京都市伏見区(恵守乾撮影)  【京都うまいものめぐり】

 全国に約3万社あるという稲荷神社の総本宮「伏見稲荷大社」。初詣では近畿有数の参拝者を集める。ほど近い自然薯料理専門店「瑞石庵(ずいせきあん)」は、オーガニック(有機栽培)にこだわるお店で、伏見稲荷の“ありがたさ”もあって、ある意味「パワースポット」のよう。しかも経営者がピアニストとあって、厳選された食材と、そのうまみを生かした食味を奏でるハーモニーが人気だ。

 無数の鳥居が幾重にも立ち並び、異次元に引き込まれそうになる「千本鳥居」で国内外にその名を知られる伏見稲荷大社は、名所旧跡が点在する京都でもとりわけ有名な稲荷神社だ。

 「お山」と呼ばれる稲荷山には信者から奉納された約1万基の鳥居があり、千本鳥居の一帯はテレビドラマのロケ地としてもたびたび登場するとあって、週末はもちろん、平日でも国内外の観光客らでにぎわっている。

 すりたて自然薯とろろ汁

 瑞石庵は、とある建設会社のオーナーがバブル期に贅(ぜい)を尽くして建設したという立派な施設を借り、開店約3年を迎えた。目立つような看板らしい看板もなく、事前に場所を調べても、分かりやすい場所なのに通り過ぎてしまうほど。隠れ家的な演出か、と感じた。来訪の際は、別荘のような立派な外観に気後れすることなきように。

 ピアニストでもある店主の木下和枝さんは「安全・安心な食材を使い、『ほっとする味』、『やさしい味』、『なつかしい味』にこだわって召し上がっていただいています」と店舗のコンセプトを語る。

 滋養強壮食とされる「自然薯(じねんじょ)」は山芋の最高峰「真芋(まいも)」を山口県から購入。天然のだし汁でのばした「とろろ汁」はすりたてを提供し、一緒に食す十穀米は兵庫県内の農家と契約し、有機栽培された「天高く」という品種の米を炊きあげている。

 さらに野菜は有機栽培された山城加茂産、タマゴも北海道産の平飼い有精卵、だしは利尻昆布、土佐鰹など、国内産で無添加を心がけている。その自信の表れか、お店のホームページでも堂々と、こうした「こだわり」を紹介している。

 化学調味料は一切使わず

 人気メニューの一つ「瑞石膳」をいただく。自然薯とろろ、生麩の田楽、季節の煮物やフルーツ、シジミ汁など、ヘルシーそのもの。この店では一切使用しない化学調味料たっぷりの味に慣れ親しんでいる記者にとっては「少々、もの足りない味付け」。失礼ながらストレートに伝えたところ「たまに『しょうゆはありますか』と言われるケースもある」そうだが、できるだけ昆布だしを利かした深みのある「健康な味」を勧めているそうだ。

 こうしたオーガニック精神は飲み物にも反映されている。とくに紅茶はスリランカで有機無農薬栽培された「ウバ」を提供。料理を盛る器も、有田焼を代表する香蘭社の茶器類などで、ピアニストらしい繊細さが感じられた。

 木下さんのお薦めは自然薯餃子。自然薯の粘りやさっぱり感を生かした逸品で、焼き上がりのパリパリした香ばしい食感は「追加」間違いなし。「お酒のあてにも合うでしょう」と、木下さんは自信あふれる笑顔でPRした。

 ほかにも、女性をターゲットにした自然薯ランチも興味をひいた。とろろ汁と十穀米に、ちりめん山椒梅干しやだし巻き、ムカゴのかき揚げなどを加えた内容で、食が細りがちな夏場にもピッタリだ。

 とにもかくにも「健康第一」に独自路線まっしぐらのお店。安価で上品な味と雰囲気を楽しめることは太鼓判だ。(文:西村力/撮影:恵守乾/SANKEI EXPRESS

 ■自然薯料理専門店「瑞石庵」 京都市伏見区深草開土町51の1。(電)075・643・7808。営業時間は午前11時~午後3時(土・日・祝は午後5時まで)、午後5時~9時(要予約)。水曜定休。瑞石膳2300円、自然薯ランチ1500円、とろろそば950円、自然薯ケーキ300円など。京阪伏見稲荷駅から徒歩5分。

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