首相、3年計画策定指示 就職氷河期世代を集中支援

 安倍晋三首相は10日の経済財政諮問会議で、バブル崩壊後の「就職氷河期」に社会人となって非正規社員として働く30代半ば~40代半ばの人を対象に、就職支援を強化するよう関係閣僚に指示した。今後3年間の「集中プログラム」を夏までにまとめ、数値目標も掲げる。中途採用を増やす企業への助成拡充などを民間議員が提言したのを受け「氷河期世代への対応は国の将来に関わる重要な課題だ」と応じた。

 景気回復などで主婦や高齢者の就労が進む一方、氷河期世代の所得が思うように向上せず、正社員化や必要な能力開発が課題となっている。

 民間議員はこの世代を「人生再設計第一世代」と名付け、各種助成の期間延長や年齢要件の緩和を要請。またハローワークや大学、経済団体などが加わる協議会をつくり、地域別の計画を立てて不安定な就労環境にある人を減らすよう求めた。ハローワークに専門部署を設け、人手が足りない産業への就職支援を強化することも打ち出した。

 一般的に、氷河期世代は1993年~2004年ごろに高校や大学を卒業した人を指す。民間議員の資料によると、18年時点の35~44歳ではフリーターなどが約52万人、それ以外の派遣社員や契約社員、パートの既婚女性らは約317万人いる。収入の不安定な状態でこれらの人が高齢化すれば、生活保護受給世帯の増加などで将来の社会保障費膨張を招くと政府は懸念している。