社会・その他

化学の力でマットレス、ひと味違う避難ボックス…防災を最新グッズから探る (2/3ページ)

 東日本大震災がきっかけ

 本業の精密機器とは畑違いであるマットレスの開発をコニシセイコーが始めたのは、平成23年3月の東日本大震災でボランティアに出向いた社員が、床の上で寝起きする被災者を目の当たりにしたのがきっかけだった。

 被災直後の避難所では、段ボールや毛布を敷いただけの床の上で寝起きを強いられる。高齢者らには大きな負担だが、その光景は7年の阪神大震災から、大きくは変わっていない。一方で内閣府が定める避難所運営ガイドラインでは、寝床は3日以内の導入が望ましいとされている。

 「高齢者や持病のある人の負担を、少しでも軽くできないか」。化学の知識がある社員を中心に、約3年かけて開発し、製品化にこぎつけた。今秋の発売を目指しており、価格は1万4000円程度を予定しているという。

 ニーズに合わせた避難ボックス

 避難する際は、必要最低限の物は持ち出したい。水や保存食、携帯トイレなどが入ったセットが売られているが、オフィス消耗品なども手がけるカスタネット(京都市南区)が開発したセットは、ひと味違う。

 「必要なものは人それぞれ。市販品で全員のニーズに合わせるのは不可能」と、植木力社長。内容を最小限にする代わりに、利用者が好きなものを入れる余白スペースを設けた。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus