元受付嬢CEOの視線

何気ない「設備」が採用に寄与 人材不足時代でも人材に困らない理由 (3/3ページ)

橋本真里子
橋本真里子

 そのエンジニアは、もともと地方出身だったのですが東京で仕事をしていました。しかし結婚し子供が生まれるという過程で、両親の近くで、また自然のあるのびのびとした環境で子育てをしたいと考え、弊社の「Uターンエンジニア(上京→帰郷)」となりました。フルリモートワーク(フルタイムでテレワーク)で働いてもらっています。

 子育てにはトラブルがつきものです。子育てをサポートしてくれる親元で働くことに理解を示してくれる会社だからこそ、仕事にコミットし、自分にしか発揮できないバリューを出そうと思えるのかもしれません。

 私たちにとっては当たり前である「オフィスにベビーベッドがある環境」。新しく採用した社員からの言葉をきっかけに、来訪される方も最初は必ず驚かれていることに気づきました。取材していただく時にも必ずと言っていいほど話題に上がりますし、「写真を撮らせてください!」と言われたりもします。

 企業ごとに採用戦略や離職率低下の施策はあると思いますが、実はこういった、私たちも小さい頃お世話になった子育て道具が一番ストレートに刺さるのかもしれないと思ったエピソードでした。

橋本真里子(はしもと・まりこ)
橋本真里子(はしもと・まりこ) ディライテッド株式会社代表取締役CEO
1981年生まれ。三重県鈴鹿市出身。武蔵野女子大学(現・武蔵野大学)英語英米文学科卒業。2005年より、トランスコスモスにて受付のキャリアをスタート。その後USEN、ミクシィやGMOインターネットなど、上場企業5社の受付に従事。受付嬢として11年、のべ120万人以上の接客を担当。長年の受付業務経験を生かしながら、受付の効率化を目指し、16年にディライテッドを設立。17年に、クラウド型受付システム「RECEPTIONIST」をリリース。

【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。更新は隔週木曜日。アーカイブはこちら

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