バイデン氏、オミクロン株で「都市封鎖せず」 景気に配慮

    【ワシントン=塩原永久】バイデン米大統領は2日、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」について演説し、「人々がワクチンを接種してマスクを着用すれば、ロックダウン(都市封鎖)の必要はない」と述べ、当面は厳しい営業規制や外出制限を回避したい意向を示した。バイデン氏は、ワクチンの追加接種や検査体制の強化を通じた感染症対策で経済活動を維持し、景気への影響を回避させたい考えだ。

    バイデン米大統領(AP=共同)
    バイデン米大統領(AP=共同)

    米政府は2日、感染拡大が懸念される冬季の対策を発表した。入国者に渡航1日前の検査を義務づけたほか、追加接種(ブースター)の推進や、公共交通機関でのマスク着用義務の延長も決めた。

    向こう100日間にワクチン2億回分をワクチン普及が進まない国々に提供することも明らかにした。

    いずれも基本的に現行対策の延長線上にあるものだが、公衆衛生対策の関係者の目を引いたのは、自宅での簡易テストを無償化する方針だ。感染者を早期に割り出し、経済活動の制限を回避しながら、感染拡大を防ぐ狙いがある。

    バイデン氏は2日、東部メリーランド州の国立衛生研究所(NIH)での演説で、「私たちには最高のワクチンと最高の科学者が存在する」と述べ、備えはできていると強調した。

    オミクロン株の性質は未解明の部分が多いが、同氏は米国で初の感染例が出た1日以降、厳しい外出制限などの都市封鎖は不要だと繰り返し強調してきた。

    コロナ禍が深刻化した昨年春以降、米国では各地で都市封鎖が一時的に導入され、景気が急失速した。支持率低迷にあえぐバイデン氏は、経済活動を停滞させる厳しい規制が自身の支持率を一層押し下げ、来年の中間選挙に影響することを警戒しているもようだ。


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