都民ファ「小池知事頼み」に陰り 東久留米市長選

    26日に投開票された東京都の東久留米市長選で、小池百合子知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」などが推薦した細谷祥子氏(67)が、小池氏の応援を受けたにもかかわらず敗北し、大きな衝撃が広がっている。

    東久留米市長選最終日に支持者らとグータッチを交わす小池百合子知事(中央)=25日午後5時35分、西武池袋線東久留米駅
    東久留米市長選最終日に支持者らとグータッチを交わす小池百合子知事(中央)=25日午後5時35分、西武池袋線東久留米駅

    岸田文雄首相の側近、木原誠二官房副長官の地盤の選挙で自民、公明両党が結束するなか、関係者は「小池人気で得ようとした浮動票頼みの戦術が敗因」と分析する。都民ファが結成した国政新党「ファーストの会」は来夏の参院選に候補者を擁立する方針で、都民ファは今回の敗北を受け、知事依存体質からの脱却を迫られることになりそうだ。

    「選挙戦終盤は雰囲気もよくなっていたし、十分勝てると思っていた。ちょっと信じられない」。都民ファ関係者は26日深夜、細谷氏の敗北に当惑した様子だった。

    小池氏は19日の告示日にくわえ、25日の選挙戦最終日にも細谷氏の街頭演説に駆け付けた。都民ファ関係者は、詰め掛けた参加者は少し前に同じ場所で実施された自公推薦の富田竜馬氏(44)の街頭演説時より「2倍以上集まった」とみており、陣営関係者も小池人気の健在ぶりに勝利を確信していた。

    だが、細谷氏は富田氏に約3千票差で敗北。都民ファ関係者は「小池人気は小池さん本人に対してのもので、なかなか票につながらなかった。落ち着いたら選挙結果を分析しなければならない」と言葉少なだった。

    これに対し、富田氏の応援に入った木原氏は、選挙戦序盤から「勝てない選挙ではない」との見方を示していた。

    実際、富田氏は選挙戦終盤、「自民票は半分程度にとどまったが、公明票の約8割、立憲民主票も獲得した」(自公関係者)。陣営関係者は「地元に根差した組織票を固めたことが勝因となった」と振り返った。

    都民ファ内では当初、「東久留米市長選に勝利し、来夏の参院選に弾みをつけたい」との期待の声が上がっていた。それだけに、ある都政関係者は「国政復帰もささやかれる小池さんは、今回の敗北をなかったことにしたいだろうね。自分の集票力の脆弱(ぜいじゃく)性が露呈したわけだから」との見方を示した。(植木裕香子)


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