読者の皆さま、本年もよろしくお願い申しあげます。
塾講師の職に就いて以来、お陰さまで?三が日に出講がない初めての正月を迎えることができた。これもコロナ禍の副作用かもしれないが、例年の正月特訓を取り止めた塾も少なくないようだ。
そんななか、塾に行かない三が日を送った受験生も少なくはなかったことだろう。別の見方をすれば、受験校についてじっくり親子で話し合う最後のタイミングになった家庭も少なくなかったということになる。
「ほぼ完璧」にプランニングする母親
たいがいどの塾でも、11月から冬期講習会が始まる前までの期間に保護者面談を行い、志望校や受験パターンの確認をさせてもらう。なかには完璧な組み立てを行っている保護者もいれば、第一志望校をまだ迷っている保護者もいる。
たとえば、小6生の母親Xさん。生徒本人は同席しないかたちで、Xさんと副教室長と筆者の3人で受験パターンの確認などを行ったのであるが、多少のオプションを含みながらも、2月1日から4日まで、ほぼ完璧な組み立てがされていた。「オプションまで含めてほぼ完璧」と言ったのは、2月1日の結果次第で2日以降の組み立てをどう変えるかまで、しっかりプランニングされていたからだ。
ただ、1つ気になったことはある。本人の第一・第二志望はMARの附属校なのであるが、それ以下の受験校に関しては、Xさんがほぼ独断で決めている節があったからだ。どうやら、第一・第二志望ともぎりぎり合格圏内にいるので、母親としては、万が一の時をしっかりプランニングした上で、プラスαのアイデアを相談したいという趣旨で面談を希望されたようで、これはこれで上々だろう。
決心がつかない父親
なかには、まったく逆のケースもある。たとえば小6生の父親Yさん。生徒本人も同席し、ご両親と面談を行ったのであるが、専らM中学とN中学のどちらを受けるかについての父親からの相談、といった体であった。ちなみに、M中学とN中学の両方を受けることはできない。二者択一である。
Yさん、普段はあまり深く関わっていないらしく、随分と逡巡されている。子どもの第一志望はM中学であるが、やや安全策を採ってN中学にすべきか、それぞれの可能性にどの程度の差があるのか…と。