露が対話拒否なら「一致して制裁」 米国、中国の圧力にも期待

    緊迫化するウクライナ情勢で、バイデン米大統領は27日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、同国にロシアが侵攻した場合、同盟・パートナー諸国とともに断固とした対応をとることを確認した。

    バイデン米大統領(UPI=共同)
    バイデン米大統領(UPI=共同)

    一方、ヌーランド国務次官(政治担当)は27日、米国が26日にロシアへ提示した文書を「プーチン露大統領が精査し、外交のテーブルに戻ってくることを望んでいる」と述べ、対話が拒否されれば「すみやかに強力な制裁を発動することで一致している」と牽制(けんせい)した。

    ヌーランド氏はまた、2月4日に北京冬季五輪の開幕を控える中国が、緊張緩和に向けてプーチン政権に外交的な影響力を発揮することに期待を示し、「紛争によるエネルギー分野への影響は中国にとっても打撃となる」と強調。1月26日にはブリンケン国務長官が中国の王毅国務委員兼外相と電話会談し、ロシアがウクライナに侵攻した場合の世界経済へのリスクなどを協議した。

    ヌーランド氏はさらに、ロシアがウクライナに侵攻すれば、露産天然ガスをドイツへ輸送する海底パイプライン「ノルドストリーム2」は「稼働できなくなる」とも断言した。

    同パイプラインは完成済みながら稼働に向けた承認待ちの状態。バイデン政権は、歳入の約半分をエネルギーの輸出収入に頼るロシアへの「強力なレバレッジ(てこ)」(国務省高官)になると見込んでいる。天然ガス輸入で対露依存を深めるドイツは同パイプラインを対露制裁に組み込むことに消極的だと指摘されてきたが、ここにきてバイデン政権が「稼働阻止」を明言しているのは、共同戦線構築に向けた外交調整が軌道に乗っていることをうかがわせる。(ワシントン 大内清)


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