北朝鮮、ミサイル2種発射を同時発表 脅威を強調か

    【ソウル=時吉達也】朝鮮中央通信は28日、「地対地戦術誘導弾」の発射実験を27日に実施し、発射された誘導弾2発が設定目標の島に命中したと報じた。25日に発射が確認されていた巡航ミサイルについても初めて言及し、それぞれのミサイルが島に着弾する写真を公開した。

    27日、国防科学院が行った地対地戦術誘導弾の試射(朝鮮中央通信=朝鮮通信)
    27日、国防科学院が行った地対地戦術誘導弾の試射(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

    また、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が「重要武器体系」を生産する軍需工場の現地指導を行ったと伝えた。金氏による軍需施設視察が報じられるのは2019年6月以来。異なる2種のミサイル発射の成功や兵器開発の進展を誇示する狙いがうかがえる。

    朝鮮中央通信は、25日に発射が確認されていた巡航ミサイルについて、日本海上の設定軌道に沿って「9137秒」(約2時間半)飛行し、約1800キロ離れた目標の島に命中したとした。事実とすれば、日本列島全域を射程に収める飛行距離となる。韓国軍はこれまで、巡航ミサイルは主に北朝鮮内陸部を飛行したと分析していた。

    一方、27日に発射されたミサイルは、公開写真で視認できる形状から、今月14日にも発射が確認された、変則軌道の新型短距離弾道ミサイル「KN23」の改良型とみられる。25、27日とも金氏による発射現場の視察は伝えられていない。

    岸信夫防衛相は28日の記者会見で、27日の発射は弾道ミサイル2発と推定されるとし、北京の大使館ルートで抗議したと述べた。

    また、プライス米国務省報道官は27日の記者会見で、北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射について「挑発行為を深刻に捉えている」と懸念を示した。

    韓国軍は27日、北朝鮮が飛行距離190キロ、高度約20キロの短距離弾道ミサイルを発射したと発表していた。ミサイル挑発は今年に入り6回目だった。


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