人の手柄をしれっと横取りする人の心理的プロセス 「ゆがみ」の落とし穴にはまるとき

「できている」「できていない」感覚だけの判断は要注意!

「対応しきれていなかった」「バタバタしていた」など、たまたま見た場面を切り取って、判断をしてしまうことは誰にでもあります。すべての様子を見て判断できればいいのですが、現実では、なかなかそうはいきません。むしろ、部分的な場面から推測するというのは、ビジネスでは一般的だと言えるでしょう。

しかし、このような感覚的な判断だけに頼って発言してしまうのは危険です。その理由は3つあります。

▼落とし穴1 自分に都合よく解釈してしまう「自己奉仕バイアス」

私たちは無意識のうちに、判断を自分の都合の良い方に歪めてしまうことがあります。先ほどのケースであれば、「初日よりも、自分が仕切っていた日はうまく行っているように見えた」というのがこれにあたります。

「売上が上がったのは、自分の接客が良かったからだ」「プレゼンがうまく行ったのは、自分が作ったスライドがわかりやすかったからだ」など、実はそれほどバタバタしていたわけではないのに、考えてしまった経験が皆さんにもあるのではないでしょうか。

「Aチームのリーダーが仕切っていた日は、うまく行っていないように見えた」というのも、自分に都合のよい解釈の例です。このような現象を、心理学では「自己奉仕バイアス」と言います。

▼落とし穴2 思い込みが正しく見える情報ばかり集めてしまう「確証バイアス」

思い込みがあっても、しばらくすれば本当のことがわかるようになると思っていませんか。一度こうだと思い込むと、私たちはその思い込みが正しく見えるような情報ばかりを集めがちです。これを心理学では「確証バイアス」と言います。

先ほどのケースでれば「初日の休憩時間に、待ちきれないお客様が帰っていたのを見た」「2日目の休憩中に、商談がまとまったところを見た」というのがこれにあたります。

▼落とし穴3 失敗を環境や人のせいにしてしまう「原因帰属のゆがみ」

私たちは、無意識のうちに防衛したくなる生き物です。失敗した場合、その理由が自分にあるのではなく、環境や他の人のせいにしがちだということを覚えておきましょう。

先ほどのケースであれば「コロナだから仕方ない」という考えや、「Aチームのリーダーがパンフレットを切らしていたし、お客様を捌くのが下手だったからだ」という考えが、これにあたります。

このように考えることで、ショックを受けてしまうことや自信をなくしてしまうということを防げるというメリットがあります。しかし失敗の原因を自分以外にあると考えてしまうと、また同じ失敗をしやすいことがわかっています。

対処法 悪気なく人の手柄を横取りしないために

「落とし穴」ともいえるこれら3つの理由により、私たちには無意識のうちに物事を心理的に「ゆがめる」クセがあることをおわかりいただけたでしょうか。では、悪気なく人の手柄を横取りしないためにできることはあるのでしょうか? また反対に、手柄を横取りされて悔しいときの対処法とは?

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