西武HD、国内30施設を売却 海外ファンドに1500億円

    西武ホールディングス(HD)がプリンスホテルやレジャー施設など国内の約30施設をシンガポールの政府系投資ファンド「GIC」に売却する方向で検討に入ったことが5日、分かった。売却額は1500億円程度になる見通し。売却後も施設運営に特化した西武HDの子会社が運営を担う。新型コロナウイルス禍で消費動向が不安定な中、資産を減らしてリスクを軽減する「アセットライト」な経営を目指す。

    西武ホールディングスが売却対象としている「ザ・プリンスパークタワー東京」(ホームページから)
    西武ホールディングスが売却対象としている「ザ・プリンスパークタワー東京」(ホームページから)

    売却対象となるのは「ザ・プリンスパークタワー東京」(東京)、「札幌プリンスホテル」(札幌市)、「グランドプリンスホテル広島」(広島市)などホテル十数件のほか、ゴルフ場やスキー場といったレジャー施設も含まれる。

    当初は全体で40件程度の売却を検討していたが、一部は保有を続ける方針。そのほか、「軽井沢プリンスホテル」(長野)や「品川プリンスホテル」など、主軸としているホテルも保有を続ける。西武HDの広報担当者は「現時点で決まっていることはない」とコメントした。

    コロナ禍に伴いホテルやレジャー施設の需要動向が見通せない中、同社は不動産を保有せず、運営に特化することで機動性の高い施設経営につなげ、競争力を高めていく方針を掲げている。


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