観光客半減、外国人は1割に 埼玉・川越の誘客苦境

    「蔵造りの町並み」で知られる首都圏屈指の観光地・埼玉県川越市が、新型コロナウイルスの感染拡大長期化の影響で苦境に立たされている。昨年の観光客数は約392万人で、コロナ禍の前の令和元年(約776万人)のほぼ半分に落ち込んだ。観光関係者らは「しばらくは辛抱しないといけない」と肩を落とす。

    埼玉県川越市の代表的な観光スポット「蔵造りの町並み」。新型コロナウイルス感染拡大長期化の影響で観光客は激減している=8日午前(中村智隆撮影)
    埼玉県川越市の代表的な観光スポット「蔵造りの町並み」。新型コロナウイルス感染拡大長期化の影響で観光客は激減している=8日午前(中村智隆撮影)

    市によると、昨年の観光客数のエリア別の内訳は、「蔵造りの町並み」の地域や川越氷川神社などの主要観光エリアが約258万人、複合施設「ウェスタ川越」などの他のエリアが約132万人。

    とりわけ深刻なのは、にぎわいを牽引(けんいん)してきた外国人観光客の減少で、元年の約31万人に対し約3万人にとどまった。市の担当者は「訪日外国人はほぼゼロ。訪れたのは日本に在留する外国人だろう」と話す。

    全体の観光客数は、2年の約385万人に比べるとわずかに上向いたともいえるが、オミクロン株が猛威をふるって感染者は急増しており、当面は客足が戻ることは期待できないというのが関係者の一致した見方だ。

    市のシンボルである「時の鐘」近くの和菓子店で働く40代の女性は「観光客は数字の通り半減したと実感している。売り上げもコロナ禍の前の半分以下だ」と明かし、「例年なら2月の終わりごろからツアー客が増えてくるが、この感染状況では難しいだろう」とため息をついた。(中村智隆)


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