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中古車高値売却の「最後の機会」か ウクライナ情勢が日本の中古車市場にも余波

ロシアによるウクライナへの侵攻が日本の中古車市場の買い取り相場に影響を与える可能性が出ている。ロシアは日本の中古車輸出にとって最大の仕向け先で、ロシアに対する経済制裁で日本の関連企業が重要な販路を失う可能性があるからだ。業界関係者の間では「買い取り価格を抑える」流れが強まるとの見立てもある。中古車価格はこれまで、半導体不足に伴う新車生産の停滞などの影響で高値をつけてきたが、自動車業界全体をめぐる先行きの不透明感は強い。一方、中古車業界には年度末に向けて売り上げを確保したいという思惑もあるとみられ、今が中古車の高値売却の機会ともいえそうだ。

ロシアによるウクライナ侵攻は日本の中古車市場にも影響を及ぼす可能性がある(Getty Images)※写真はイメージです
ロシアによるウクライナ侵攻は日本の中古車市場にも影響を及ぼす可能性がある(Getty Images)※写真はイメージです

■オークションでの高値は期待できず?

「1カ月後の中古車価格がどのぐらいになっているかは非常に読みづらい」。東京都内の中古車大手関係者は国際関係に翻弄される価格の行方を案じている。

2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、中古車業界にとっても悩みの種。ロシアは日本の中古車の輸出先としてトップに位置する「お得意さま」だからだ。財務省の貿易統計によると、2021年のロシア向けの中古乗用車輸出は約986億円で全体の約16%。台数ベースでは約15万3000台で、こちらも全体の約15%でトップだ。

買い取りを手掛ける国内の中古車業者の多くは、個人などから仕入れた中古車を自社の店舗網で販売し、売れ残った場合はオークションにかけるなどして売却する。オークションには輸出業者も参加しており、日本の中古車を思わぬ異国の地で見かける背景になっている。

ただ、日本政府は欧米と足並みをそろえる形でロシアに対する経済制裁に参加。日本からロシアに中古車を運ぶことや、ロシアから金融機関を通じて売却代金を受け取ることは難しくなる。中古車大手の関係者は、輸出向けに中古車を買い取ろうという業者が減れば、売れ残りをさばくオークションで高値が期待できなくなると指摘。「このリスクを考えれば、個人などから中古車を買い取る際にも値段は抑えることになるかもしれない」と明かす。

■値上がり傾向に冷や水

一方、ロシアのウクライナ侵攻までの中古車市場は値上がり傾向が鮮明だった。中古車のオークションを運営するユー・エス・エス(USS、愛知県東海市)によると、今年1月の平均落札価格は1台あたり97万9000円で、前年同月比で2割も高い水準。出品台数が減っている中でも旺盛な需要が価格を引き上げている形だ。買い手の3分の1程度は輸出業者だとみられている。

中古車需要が強まっている背景には世界的な半導体不足による自動車生産の落ち込みがある。日本自動車工業会によると、2021年12月の国内の乗用車生産台数は前年同月比7.8%減の約60万2000台。販売店では新車の契約から納期までの期間が長くなっているとも指摘される。一方の中古車は現物を見たうえで買うことができ、契約から納車までの時間も短いとあって必然的に人気は高まる。

今回のロシアに対する経済制裁はこうした活況に冷や水を浴びせた形となった。USSは「一連のロシア・ウクライナ情勢がオークション価格に与える影響は見通せない」としているが、状況が一変したことは確かだ。

■自動車業界に新たな難題

また、ロシアのウクライナ侵攻がもたらした経済の混乱は自動車メーカーにとってもリスク要因だ。トヨタ自動車はロシアのサンクトペテルブルク工場での生産停止とロシアへの輸出の停止を発表。ホンダもロシア向けの輸出を止めている。世界の自動車メーカーも似た状況にあるとみられ、需要と供給のバランスが崩れる要因となりそうだ。


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