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ロシア、侵攻で進むインフレ 反戦デモは下火に

ロシアのプーチン政権によるウクライナ侵攻から1カ月。ロシア国内ではインフレが進み、食品や日用品の物価が高騰している。通貨安や欧米企業の撤退で、国民所得の減少や失業者の増加も確実だ。国民が生活水準の悪化に直面する一方、反戦デモは下火となった。専門家によると、経済の先行き不安が、拘束されて職やキャリアを失いかねないデモへの参加を思いとどまらせているという。

ロシアではインフレが進む一方、瓶詰や砂糖など長期保存できる食品の品薄も目立ち始めている=3月18日、モスクワ
ロシアではインフレが進む一方、瓶詰や砂糖など長期保存できる食品の品薄も目立ち始めている=3月18日、モスクワ

「仕入れがどうなるか分からないので、値上げに踏み切った」

3月下旬、モスクワにあるアジア食材店の男性社員はそう話した。商品棚には値札のない商品も。露通貨ルーブルは侵攻後、対ドルで一時40%下落し、その後も激しく変動している。そのたびに頻繁に値段を変えるため、値札を付け替える暇がないのだという。

モスクワのスーパーでは、砂糖や小麦の売り切れが目立つ。インフレの進行を見据えて買いだめする動きが続いているためだ。露国内での生産中止が発表されたコカ・コーラなど米欧系の商品に関しては、現時点で目立った価格上昇は見られないが、今後、在庫の減少とともに値上がりは必至だ。多くの飲食店でも値上げが進んでいる。

経済誌フォーブス・ロシア(電子版)は3月中旬、露統計当局の発表に基づき、国内のインフレ率が12・5%に達したと伝えた。特にトマト(17%)やバナナ(16%)、砂糖(15%)の値上がりが目立つ。

露中央銀行は、今年の国内インフレ率が14~20%に達し、国内総生産(GDP)は8%縮小するとの予測を発表した。露有力紙「独立新聞」も複数の専門家の分析として、国民の実質賃金が平均10%低下し、失業率は1月時点の4%台から10%に拡大する恐れがあると伝えた。

米欧による経済制裁には、ロシアに侵攻を断念させると同時に、露国内での反戦機運を高める思惑があるとみられている。

ただ、現在、反戦デモは収束しつつある。露人権監視団体「OVDインフォ」によると、デモに参加して当局に拘束された市民の数は今月8日までに計1万4千人に達したが、その後は拘束者数が増えていない。徹底的な弾圧で参加者が激減したとみられる。

独立新聞は13日、「デモは指導者を欠いている上、国民はデモに参加して職場や学校から追放されるのを恐れている」とする専門家の見解を伝えた。


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