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タピオカブーム下降とともに「消えていった業者」は敗者か? 高レベルなタダ乗りビジネスの極め方

ブームに乗っかった「一過性の商材」は低レベルか?

セブンイレブンで「カッサータ」というイタリア発祥のスイーツが発売されたというニュース(というか広告)を目にした方は多かったのではないでしょうか。昨年は同じイタリア発祥のマリトッツォが同じようにプッシュされ、一度は口にした方も多かったようです。

イタリアの伝統菓子「カッサータ」は、ドライフルーツやナッツをチーズクリームに混ぜ込んだアイスケーキだという(画像はイメージです/Getty Images)
イタリアの伝統菓子「カッサータ」は、ドライフルーツやナッツをチーズクリームに混ぜ込んだアイスケーキだという(画像はイメージです/Getty Images)

このような「ブーム」について「どうせ長くは続かない」とか「マリトッツォなんてもう消えたよね」というような否定的な見方をする方は多いようです。つまり「長く続かない一過性の商材」は、「レベルが低い」とか「商才がない」といった評価ですね。そして、それらを購入する人たちを揶揄する傾向もありますね。「定番」や「老舗」が好きな日本人の嗜好をよく反映しているかと思います。

しかし、「短い期間で儲けを出す」というのは決して非難されることではありません。定番商品を助けてくれる貴重な存在になることも少なくないくらいです。今回はターゲティング、つまり上手な「絞り込み戦略」について見てみたいと思います。

タダ乗り上等…短期回収型ビジネスで儲けるコツ

▼ブーム下降とともに「消えていった」タピオカ店

最近の大きなブームといえばタピオカではないでしょうか。ブームを巻き起こし、そして多くが消えていきました。「消えていった」という点で業者側も消費者側もバカにされているような雰囲気です。しかし、「消えていった業者」は敗者なのかというとそうとは言えません。

タピオカは台湾から輸入され、メディアに大きく取り上げられました。その雰囲気の波に「ほぼタダ乗り」しているわけですので広告費もあまりかかっていません。そして、「元祖」や「本物の味」などという点にはこだわらない層をターゲットにしているわけです。

そうしたライト層によるインスタグラム投稿などとの相乗効果で短期間でブームに乗り、そしてブームとともに店仕舞いするのです。「元祖」が長年かけて作り上げた味などの評価に乗っかるわけです。つまり「楽して瞬間最大風速に乗り、適切な時期に降りる」ことが大事なのです。

  1. ブーム初期に素早く決断して参入(開発ではなく、営業に絞り込む)
  2. 装置など初期投資を少なく済ませる(コスト競争力という視点で絞り込む)
  3. 適切なライト層に届ける(顧客を絞り込む)
  4. ブーム下降に合わせて撤退する(期間を絞り込む)

この4つを合わせると非常にレベルの高い短期回収型のビジネスが実現しますね。実際にタピオカなどは「タピオカが好き」という人々が始めたのではなく、このような短期決戦で利益を回収することが得意なプレイヤーが参入していたというのが実際のところです。

▼典型はコンビニエンスストア

このような短期回収型のビジネスが皆さんでもわかりやすく感じるのが「コンビニエンスストア」でしょう。コンビニスイーツはいつも「すでに流行に一番敏感な層」が動いた後に参入してきます。

すでに様々な工場との提携がありますので新たな工場を建設したり、開発したりするような大型初期投資は必要ありません。また、コンビニでの「ついで買い」を目指しています。つまりスイーツに関するライト層を狙い、売上次第であっさりと撤退していきますね。本気でこだわったマリトッツオ専門店と真っ向勝負しようとは思っていないのです。

ビジネスではこのように「最上級の質へのこだわり」を捨て、「最上級のこだわりは持っていない層」を狙う、さらにブームによって短期間で回収するという「老舗」「定番」重視の感覚とは相入れない戦略が存在し、多くの良い結果を生んでいるのです。

短期商品が「老舗化」に寄与

「定番化により長く販売でき、低コストを実現すると、ビジネスは楽になる」と言われていますので、それを目指すことは悪いことではありません。しかし、このような短期回収型の戦略のように、定番商品以外でもときどき売上を大きく立てることを実現し、結果として企業の「老舗化」の助けになる可能性があることも理解しておくと良いでしょう。

たとえばポテトチップスなどは定番の味とブームに乗ったラインナップのバランスで全体の売り上げが維持されているとも言えます。


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