就労資格のないスリランカ人を働かせたとして、大阪府警生野署は25日、入管難民法違反(不法就労助長)容疑で、大阪市西成区の歓楽街・飛田新地にある老舗料亭「鯛よし百番」の運営会社「鯛よし」社長の女(65)ら幹部2人と法人としての同社を書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。
運営会社の担当者は産経新聞の取材に「何も話すことはない」と答えた。
捜査関係者によると、幹部2人は昨年10月~今年1月、就労資格のない大阪市生野区や東成区に住むスリランカ人の20代男3人を同料亭で働かせた疑いが持たれている。
同社は給与明細などの書類にスリランカ人の名前ではなく、別の日本人の名前を記載して交付していたといい、不法就労の発覚を避けようとしたとみられる。
幹部2人は容疑を認め、「求人広告を出してもなかなか働き手が確保できない中、若くてよく働いてくれるスリランカ人に頼ってしまった」などと説明しているという。
男3人のうち1人は、留学生として来日後、学費を払えず大学を除籍されて就労資格がないのに、大阪府東大阪市の印刷工場でも働いていたとして、府警は同法違反(資格外活動)容疑で逮捕。印刷工場を実質経営する女(63)も同法違反(不法就労助長)容疑で書類送検した。また、残る男2人については同法違反(無許可活動)容疑で書類送検した。
飛田新地の一角にある鯛よし百番は大正時代に建てられ、華やかな遊郭造りを現在に伝える建物として、国登録有形文化財になっている。近年は人気アニメ「鬼滅の刃」に登場する建物に雰囲気が似ているなどとして人気を集め、たびたびメディアでも取り上げられていた。