野菜を食べない子供がヒントに ボタンひとつで簡単調理 全自動スープメーカー
「4歳になる自分の子供も野菜をまったく食べませんが、スープならたくさん飲むことがヒントになりました」。野菜中心のポタージュ、スープ、おかゆがボタンひとつで簡単にできる小泉成器(大阪府中央区)の「コイズミ スープメーカー『ビタリエ』」を開発した商品事業部 調理・家事・音響課の植村正勝課長が話す。
昨年12月の発売以来、健康志向の高まりから人気を集め、約10カ月で予定台数の3万台を終了。10月から豆乳の調理機能を追加した「コイズミ スープメーカーNEW『ビタリエ』」の販売を全国の家電量販店で開始した。
「お子様やお父さん、お年寄りに『たくさんの野菜を美味しく食べさせたい』と思っている主婦層に受け入れられた」とし、「適当な大きさに切った野菜など材料を入れてからボタンを押して約30分。何もしなくてよい、手間要らず。誰でも失敗なく難しいと思われているスープが簡単にできる」とアピールする。
家電販売店では多くのジューサー、ミキサーが展示されるがそのほとんどが夏場の主力商品。冬場でも活躍できる商品を開発したかったという。「ジュースとスープが年中作れる調理家電があれば『うれしい! 楽しい!』と思った」。ビタリエにはミキシング機能が搭載されているので新鮮な手作りジュースもできる。
既に海外ブランドのスープメーカーは市場にあったが、ヒーターを搭載するためとにかく大きいことが普及のネックになっていた。幅22センチ、奥行15センチ、高さ31.1センチという日本家庭にふさわしいサイズまで小さくする苦労は並大抵ではなかったという。
次にメニュー開発。同梱のレシピ集には50種類(ポタージュ14、スープ11、おかゆ8、ミキサーメニュー12、豆乳5)のメニューが掲載されているが、より素材の美味しさを引き出すための「温度調整」「回転始動時間」など試行錯誤を繰り返した。「おかゆ」に関しても、吹きこぼれや米の堅さなど、人それぞれの好みがありモード設定に苦労した。
販売店向けの試飲会で「美味しい」「こんなに簡単にできるの」という声が相次ぎ、「いける」との手応えをつかんだ。「操作方法に慣れた方は付属のメニューだけでなく、オリジナルのメニューを楽しんでる」といい、分解して洗えることやガラス容器を使用していることなど衛生面でも消費者の評価が高いという。
NEWビタリエでは豆乳の調理機能などのほかに「1人や2人暮らしの方にも野菜をしっかり取ってほしい」との思いから半分の量で調理する「ハーフ」モードを追加。一方、保温やタイマー機能を追加してほしいとの要望は多かったが、「食材の安全面や衛生面について慎重に検討する必要があり、現状では搭載しないことにした」。
コンパクトアイロン、1枚焼きオーブントースターなど多くの一人暮らし向け商品を開発してきた植村課長。「NEWビタリエはどんなメニューでも約30分、豆乳なら20分でできる。その間にほかに1品、2品の料理をつくることができるから食卓がにぎやかになりますよ」と笑顔を見せた。
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