新日鉄住金が水素ステーション用の鋼材開発 ステンレス鋼の強度2倍で高圧に耐える

 

 新日鉄住金は20日、燃料電池車(FCV)に水素を供給するステーション専用のステンレス鋼を開発したと発表した。強度を通常のステンレス鋼の約2倍に引き上げ、高圧の水素を設備内に送る配管などに使用。政府が2025年に建設を計画する1千カ所のステーションのうち、500カ所以上で採用を目指す。

 ステーションはガソリン車並みの短時間で水素を供給するため、高圧の状態で送る必要がある。今回のステンレス鋼は強度が高いため配管を通常よりも4割薄くでき、約2・6倍の水素を送ることができる。

 また、水素による劣化を抑える構造にして寿命を延ばし、通常は難しい溶接を可能にするなど工事・補修費用を抑えられるという。

 同社によると、1カ所のステーション建設には1~2トンの鋼材が必要。うち約半分が高圧の部分で使われる。今回のステンレス鋼は東京ガスが14年12月に開所した「練馬水素ステーション」(東京都)などが採用しており、ステーション建設が加速するのに伴い受注活動を本格化する。