日産ゴーン社長に聞く「EVと自動運転で他社に先行」「後継者は日本人を」
【2016 成長への展望】日産自動車社長 カルロス・ゴーンさん(61)
■ルノーとの機能統合を新ステップへ
--昨年12月に資本提携するルノーの筆頭株主、フランス政府が経営に介入しないことで合意した
「日産、ルノー両社が相乗効果を追求しつつ、自主性を持って経営できる。ルノーは日産に43.4%を出資し、日産も15%をルノーに出資するが、1999年の提携開始から相互の経営には干渉してこなかった。対等なパートナーシップという不文律が合意で明文化され、重要な節目になった」
--提携関係の強化は
「2014年4月に研究・開発や購買など4部門を機能統合した。追加の機能統合も議論し、今年は新しいステップを発表したい。ただ、合併にはまだなすべきことがあり時期尚早だ。合併の有無にこだわらず、両社の相乗効果に合致することをやるべきだ」
--国内生産への回帰を進める
「円安で(輸出)競争力のある水準なので、国内生産の基準とする100万台は年内に達成できると思う。主力生産拠点の日産自動車九州はフル稼働で、米国向けスポーツ用多目的車(SUV)『ローグ(日本名、エクストレイル)』を生産している。米国で最も売れている車種なので増産が重要だ」
--20年をめどにした中期的な計画は
「(走行時に温室効果ガスを排出しない)電気自動車(EV)は、地球温暖化対策で重要な役割を果たす。他社に先駆けて投資しているが、20年にはさらに集中している。自動運転でも同様に先行していきたい。20年には投資の成果が出るだろう」
--ルノーの最高経営責任者(CEO)も兼務するが、後継体制への考えは
「日産、ルノー両社の株主の信任を得ている限りは経営にあたりたい。ただ、現行体制は継続しないと思う。将来的には各社1人ずつの経営に移行し、日産の後継者には日本人が望ましいと考えている」
--リコール(回収・無償修理)が続くタカタ製エアバッグ部品の使用中止を決めた
「日産は他社と同様に、政府が出した指針に従って対応している。同時に利用者にとって一番良い選択をしていると思う」
--原油安が定着している
「クルマの維持費が下がるので自動車業界にとって朗報だが、資源国の景気が落ち込むマイナス影響もある。また、各国で温室効果ガスの排出規制強化が進んでいるので、原油価格がどう変化しようとEVなどの技術は必要になる」
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【プロフィル】カルロス・ゴーン
仏国立高等鉱業学校卒。北米ミシュラン社長、ルノー上席副社長を経て1999年6月日産自動車COO(最高執行責任者)、2000年6月日産社長。01年6月からCEO(最高経営責任者)を兼務。ブラジル出身。
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