鴻海、シャープ支援 液晶技術でアップルと関係強化
台湾の鴻海精密工業がシャープ買収を目指す背景には、高い技術を持つ液晶事業を取り込み、米アップルとの関係強化を進める狙いがある。iPhone(アイフォーン)の組み立てだけでなく部品も供給するなど生産効率を高めることで、ライバルに差をつけたい考えだ。
鴻海は1974年に創業し、現在は電子機器の受託製造サービス(EMS)で世界最大手。主な製造拠点を中国に置き、新しい製造設備と安い人件費で機器を組み立てて利益を上げてきた。
しかし、中国の人件費上昇やEMSのライバル企業から猛追を受けており、生産効率の向上が課題となっている。
シャープの液晶パネルやカメラ部品などの電子部品の事業を取り込むことで、アップルとの取引拡大につなげたい狙いがある。
シャープは昨年10月に社内を家電、太陽光発電、複写機、電子部品、液晶と5つの事業体に分割した。
鴻海は電子部品と液晶以外の事業も傘下に収めることで、業容を拡大させる狙いもあるとみられる。
鴻海の世界中の取引先にシャープの事務機器などを売り込む可能性もある。高橋興三社長は「生産や資材調達のほか、販売面でも広がりがある」と強調した。
工場や従業員の雇用も維持する見通しだが、太陽光発電など赤字の事業をいかに黒字転換させるかなど、経営再建に向けた具体策については不透明な部分もあり、丁寧な説明が求められそうだ。
関連記事